大豆ハンバーグや海藻から作られた模倣イクラ、ビーガン向けサーモンなどは、動物性食品の摂取を望まない人に提供される選択的な食料の一部でしかない。こうした食品が健康にとっていいのかどうかは意見の分かれるところだ。
一見したところ、大部分が低カロリーのベジタリアンの食事は、健康的な食事という点で安全な選択だと思えるかもしれない。しかし、特に植物ベース(ベジタリアン向けハンバーガーや『酢豚』)の代用肉を使ったいくつかの料理は、消費者が望む(または思っている)よりも多くのナトリウムや糖質を含んでいる場合がある。香港の消費者団体の専門家らはこうした結論に至った。
資料として上げると、料理100グラムあたりには、世界保健機関(WHO)が推奨する1日のナトリウム摂取量の4分の1以上が含まれている。
カリーニナ助教授は、身体が必要とする十分な量の栄養素とエネルギーが、健康的な食事の基本的原則となると指摘する。同助教授によれば、植物性と動物性食品のバランスのよい割合は専門的知識によってのみ保証されるという。また、同助教授は、「さまざまな食事の安全性については、その食事が異なる危険な組み合わせの量を許容しているか、またはいないかという確かな条件によってのみコメントすることができ、例えば重金属や放射性核種、農薬、マイコトキシンなどがそれにあたる。また、塩分や糖分の過剰摂取は、食料摂取量において実際に生じている現代的な問題であり、人間の健康に否定的な影響を与えるおそれがある」と強調した。
健康的な食事の基本原則は節度である。カリーニナ助教授は、もっとも健康的な食品でさえ過度に摂取することは危険であると指摘する。また、牛や豚の脂肪分は人間の身体に必要な養分を含んでおり、特に、一価不飽和脂肪酸や脂溶性ビタミンなどがそれにあたる。
この場合、大豆製品の摂取を控える必要のある人たちがいるかという問題が提起される。そして毎日大豆製の代替肉の消費をすることで何が生じるのか。この問題に対し専門家は次のように解答した。
「大豆は、成分のバランスのとれた完全に理想的な食品ではなく、そのため毎日大豆製品だけを摂取すると、人間はもっとも健康に必要な一連の成分を得ることができないというリスクを負う。また、科学的文献には、大豆製品の過剰摂取に関する研究を紹介したものがあり、そこでは、そうした状況が、ヨウ素や鉄分といった一連のミネナル要素の摂取レベルを引き下げてしまうおそれがあると指摘している」。
米国のチェーン店のケンタッキー・フライドチキンは、すでに1年半前に代替肉を使用したナゲットの販売を開始しており、3Dバイオプリンターを利用した鶏肉の作製技術の開発に関してロシアのバイオ技術の研究財団「3D Bioprinting Solutions」と契約を締結してさえいる。
この間、マクドナルドはスカンジナビア産の代替肉を使用したハンバーガーの販売を試験的に開始している。実験の結果、新しいハンバーガーは他の市場でも販売される可能性がある。
オランダ企業「Unilever」社のアラン・ヨーペCEOは、代替食品の需要拡大を強調した。同代表は、これらは肉の消費削減または完全停止を望む人々の増加と関連した「確固とした」傾向だと見込んでいる。同代表によれば、この傾向を止めることはもうできないという。