パーカー・ソーラー・プローブは、太陽表面の光冠の調査のため2018年に打ち上げられた。しかし、ミッションの過程で探査機は7回金星周辺を通過することになる。そのため、その際に探査機はこの接近を活用して、追加的に同惑星の観察を行なうこととなった。
2020年7月11日の3回目のスイングバイの際に、船体の広角赤外線カメラWISPR (Wide-field Imager for Parker Solar Probe)が、科学的に価値のある珍しい現象を画像に収めた。この現象は金星の夜間側の上空1万2380キロメートルで発生したもの。
WISPRは金星の端に鮮明な光の冠を発見した。この夜光は夜間側の大気中で分子に再結合した空気原子が大量に放出する光によって生じたもの。また画像では雲の他に、たとえば、金星のもっとも険しい山岳地域のアフロディーテ大陸(画像の色の濃い部分)など、惑星の表面の細部を見ることができる。
探査機パーカーが最後に金星に接近したのは2021年2月20日。WISPRプロジェクトの研究者らは、4月末までにデータの受信と処理を行なう予定でいる。