コストルナヤは、新型コロナウイルスに感染した影響で今シーズンのほとんどの大会を欠場した。一方、コストルナヤは新しいプログラムを準備した。特に、著名な振付師のシェイ=リーン・ボーン氏がコストルナヤのために作ったフリースケーティング(FS)用のプログラムの初披露が心待ちにされている。なお、新型コロナウイルスのパンデミックのため、プログラムに関する作業はオンライン形式で行われた。
エリザベータ・トゥクタミシェワもまだ大会で4回転ジャンプを披露していない。一方、トゥクタミシェワもトリプルアクセルを武器としており、SP及びFSで跳んでいる。グランプリ(GP)シリーズのFSではトリプルアクセルを2度跳び、自身の予想を上回る成果を示した。したがって、現欧州チャンピオンのコストルナヤの前には強力なライバルが立ちはだかっているが、24歳のトゥクタミシェワは17歳のコストルナヤよりも年齢が少し上だ。審判と観客にとって、ロシアカップファイナルでの「決闘」の行方を見守ることは実に興味深い。ストックホルムで開催される世界選手権の出場枠のかけた女子シングル選手たちの「決闘」は、28日も続く。
トゥクタミシェワ:演技と雑誌マクシムのグラビア撮影について
ロシアカップファイナルはトゥクタミシェワにとって2年前に同じように世界選手権への切符を巡ってエフゲニア・メドベージェワと戦った時の「デジャヴ」のようなものだ。なお2年前、トゥクタミシェワは結果的に世界選手権へ行くことができなかった。
27日のSPでトゥクタミシェワは自身の期待を裏切ることなく、理想的とは言えないものの、トリプルアクセルを成功させた。トゥクタミシェワは「スプートニク」のインタビューでSPについて、基本的に自身の演技に満足しており、とても良い気分で滑ったと語った。
「とても気持ちよく滑りました。今やるべきことは、演技に自信をつけることだけです。」
トゥクタミシェワは氷上で観客を驚かせる方法を知っているが、ロシアカップファイナルの前には男性向け雑誌マクシム(Maxim)のグラビア撮影に臨み、フィギュアスケート以外の新たな「一面」を披露した。トゥクタミシェワは、写真の出来栄えについて、満足していると語った。
「これ(グラビア撮影)について広く議論されることはわかっていました。このような反応も予想していましたが、正直に言って、もっと悪いものになると思っていました。でも、もし私が不満を感じていたならば、撮影することはなかったでしょう。」
SP首位:カミラ・ワリエワ
SPでは、トゥクタミシェワの次にカミラ・ワリエワが演技した。同大会はワリエワにとってストックホルムで開催される世界選手権の選考会ではない。14歳のワリエワは世界選手権の出場年齢に達していない。「スプートニク」はワリエワに、これがロシアカップファイナルで勝利を目指すモチベーションに影響を与えているかどうか質問した。
「私にとって何よりも大切なのは、自分自身に勝つことです。でもショートプログラムではあまり良い演技ができませんでした。コンビネーションがあまり上手くいきませんでした。だからフリーでは練習と同じように完ぺきに滑れるように努力します。」
コストルナヤの不振
コストルナヤはSPに最終滑走で登場した。誰もがトリプルアクセルに期待していたが、トリプルアクセルは成功しなかった。コストルナヤが跳んだのはダブルアクセルだった。
演技を終えたコストルナヤは、意気消沈している様子だった。コストルナヤはTV局のインタビューに応じることはなく、他の記者たちの質問にも答えることはなかった。コストルナヤは顔をそむけて記者団のそばを通り過ぎた。その隣には、コストルナヤのコーチを務める落胆した様子のエフゲニー・プルシェンコ氏の姿があった。もう一人のコーチのセルゲイ・ロザノフ氏は、コストルナヤを手で支えながら元気づけようとしていた。コストルナヤは明らかにすすり泣き、何かを説明しようとしていた。
だが、出場枠をかけた戦いはまだ終わっていない。28日にはFSが行われる。コストルナヤはそこで再び気合を入れなおして「ウルトラC」を披露し、皆を驚かせることが可能だ。
しかし、ミスのない演技をしなければ世界選手権への切符を手にすることはできない。またSPを終えて6位のコストルナヤが「表彰台に上がる」ためには、何らかの奇跡のようなものが必要となるため、この課題はさらに複雑となる。そして今日の時点で奇跡を信じるのは難しいと言えるだろう。
さらに、世界選手権への切符を巡る戦いの主なライバルであるトゥクタミシェワは、最大限ではなかったものの、SPで非常にたくさんの要素を成功させた。トゥクタミシェワはワリエワとダリア・ウサチョワに次いで3位につけている。
この2人の14歳の選手が年齢制限によって世界選手権に出場できないことを考えた場合、FSにおけるトゥクタミシェワの主な課題は、ジャンプで転倒しないことだ。
ジャンプでミスをしなければ、これはトゥクタミシェワにとって正真正銘の復活となり、(2年遅れてしまったとはいえ)いずれにしてもトゥクタミシェワは世界選手権に出場することが可能となる!