韓流ドラマで銃殺刑?!韓国のあらゆるものを禁止する北朝鮮の新たな法律はなんのために必要なのか?

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韓流ドラマを見たら収監、仲間に見せたら最高刑。韓国の野党議員が、北朝鮮の諜報部からの情報として、北朝鮮で採択された「反動思想と反動文化の排撃法」という新たな法について報告を行った。この新たな法は2020年12月、反社会主義的傾向を「悪性腫瘍」と名付けた金正恩朝鮮労働党委員長の呼びかけによって、採択されたものである。

マスコミはすぐに、この法はKポップや人気テレビ番組から流行り言葉まで、韓国のすべてを対象としたものだと報じた。

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この法律に関連し、スプートニクからのインタビューに応じた北朝鮮大学のキム・ジョン助教授は次のように述べている。

「2011年に金正恩氏が政権に就いてから、“下からの自主的な市場化”を実現する策として、中国、韓国、その他の国々からもたらされた人気コンテンツの利用については、それほど厳しく統制されてきませんでした。しかし、米国が強化しつつある北朝鮮に対する制裁や新型コロナウイルスを含む安全保障上のリスクが全体として増大してきていることから、それでなくても困難な状況にあった国民の経済はさらに悪化しました。おそらく2020年に、国民の不満が噴出した、またはその兆候があったのではないかと思われます。またこうした国民の不満のもう一つのきっかけとなったのが、外国のポップカルチャーに対するコントロールを強化するための措置が取られたことです」。

キム助教授によれば、今回、採択された「反動思想と反動文化の排撃法」は、韓国に住む兄弟たちがどのような生活をしているのかを目にしたことから反政府的な考えが生まれ、その結果として政治改革を求めようとする動きが起こるのを抑え込もうとするものだという風に解釈する必要はないと指摘する。また韓国のコンテンツに対する人気を、北朝鮮の人々が、韓国との間に文化的な共通点を見出したことと結びつけるのも正しいことではなく、また韓国ポップスや韓流ドラマが好きな人々が南北朝鮮の統一に向けた原動力になると考えるのも正しいことではないだろうとキム助教授は述べている。

「金正恩時代は、金正日前委員長と比較して、体制の合法性や体制に対する忠誠は逆に強くなっているということを証明する多くの研究、調査があります。ですから資本主義国からの文化的コンテンツ流入の問題と政治体制への考え方という問題は、区別する必要があるでしょう」。

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一方で、北朝鮮が外国のポップカルチャーの影響を、厳しい刑罰によって制限しようとしていることは、おそらく、体制を強化しようとする動きというより、国内に効果的なシステムがないことを示すものだという。

「たとえば、中国はすでに生体認証データに基づいた管理体制を確立しました。そのシステムの近代化には多くの資金が投じられ、事実上すべてのインフラはすでに整備されています。一方の北朝鮮では、管理を可能にするような情報通信インフラのレベルという意味ではかなり遅れています。ですから、この法律の採択も、デジタルの権威主義体制の形成のための物質的な基礎がない中で、安全を維持するための伝統的なやり方だと考えるのが論理的です」。

2018年4月に、平壌で、金正恩氏自らが選んだとされる韓国の女性バンド「レッド・ベルベット」をはじめとする韓国のスターたちによるコンサートが開かれたが、それは北朝鮮が韓国の大衆文化を受け入れる用意があるのではないかという期待を抱かせた。しかし、核問題をはじめとするさまざまな問題を解決しようという試みが失敗に終わったあと、緩和されかけた関係は再び先鋭化した。しかも、キム教授は、金正恩氏がトランプ前大統領と合意を交わしていたとしても、北朝鮮から大々的な開放政策を期待することはできないだろうと述べ、次のように強調した。

「文化交流の実現を行うためには、北朝鮮政府がまず、外交的な基本的開放路線が政治的安定を揺るがすものではないという確信を持つ必要があります。そうなった場合において、軍事的な緊張が解かれた後、外の世界への開放を期待することができるのです」。

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