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フィギュア特集

北京五輪でフィギュアスケート女子シングルの代表に選ばれるのは誰か?

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トルソワ選手 - Sputnik 日本, 1920, 08.03.2021
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先日開催されたロシア杯ファイナルでは、エテリ・トゥトベリゼ・コーチ門下のジュニア3人が表彰台を独占した。女子シングルの選手の争いにおいて主要な地位を占めるアレクサンドラ・トルソワ選手はこの大会には出場しなかった。エヴゲニー・プルシェンコの愛弟子であるトルソワはすでに世界選手権(於ストックホルム)への出場権を得ているが、トゥトベリゼ・チームの若い選手たちが次々と頭角を表す中、トルソワがこのままリーダーとしての地位を維持することができるのか、そしてオリンピックへの切符を手にすることはできるのかはまだまだ未知の状態である。

アレクサンドラ・トルソワは「チーム・エンジェル」のスターである。野心に溢れたトルソワはオリンピックまでに5つの4回転ジャンプを成功させると言明している。現時点で、1つのプログラムに5回の4回転ジャンプを跳ぶという「超人的」なレベルのスケートをしているのは、ラスベガスで開かれた全米選手権、男子シングルで優勝を果たしたネイサン・チェンただ1人である。

 「ロシアのロケット」がオリンピックに到達できない可能性も?

しかし現在、3度の4回転さえも安定していないトルソワがそこまで高く「飛躍する」ことはできるのだろうか?というのも、「ロシアのロケット」は、忍耐力においても、精神力においても、「燃料」に限りがある状態であることが指摘されている。

4回転ジャンプを3回を成功させてもまだ次のシーズンで、オリンピックの代表選手の1人(出場枠3人)に選ばれるに値することを証明しなければならなくなる可能性がある。

トゥトベリゼ・チームのジュニア選手たちは絶えずプログラムの難易度を上げてきており、トルソワとプルシェンココーチに、事実上すでにこうした試練を突きつけている。

大きくリードするワリエワ:勝利を重ね、難易度を高める

カミラ・ワリエワ(ロシア杯ファイナル優勝)は、オリンピックの出場権をかけた戦いにおいて、トルソワの最大のライバルである。

ロシア杯ファイナルでは、フリープログラムで、トリプルアクセルに3つ目の4回転を加えるなど、かなり高度な演技構成を披露した。これは女子シングルではウルトラC級の最高レベルの内容である。

しかしワリエワ自身は、オリンピックの出場権については控えめに評価し、次のように述べている。「ときどき、そうした記事(ワリエワにオリンピックでのメダルの期待がかかっていること)を読むと、何か変な感じがします。まずは代表メンバーに選ばれる必要があるのです。ですからそうしたメディアの話題は深刻にとらえないように、そしてできるだけ読まないようにしています。読んでしまうと、モチベーションが下がってしまうので」。

トゥトベリゼ門下から次々に生まれる「切り札」

トゥトベリゼコーチは今シーズン、「ベスト・コーチ」であることを改めて示して見せた。すべての門下生がウルトラC級のエレメントの技で成長を見せている。オリンピックシーズンを前に、新たな「切り札」となったのが、ロシア杯ファイナルで銀メダルを獲得したマイヤ・フロミフである。

フロミフはフリープログラムでいきなり2度の4回転ジャンプをノーミスで決めた。演技終了直後、記者たちからの質問に答えたフロミフは次のように語っている。

「ミスをなくすために長いこと練習してきましたが、ようやくそれを結果として出すことができました。それで精神的に緊張から解放され、まるで肩の荷がすっと降りたように気持ちが楽になりました。虚無感のようなものを感じています」。

まだまだ習得中

一方、ロシア杯ファイナル銅メダリストのダリヤ・ウサチョワは、自身の演技に大満足とはいかなかったようである。とはいえ、アレクサンドラ・トルソワの背中を追いつつ、ゆっくりながらも着実に構成要素を安定させている。

「スプートニク」からの取材に応じたウサチョワは、シニアデビューを果たした今シーズン、何を得られたかという質問に答え、「一番の収穫は、自信と経験です。最初は、新型コロナの感染拡大によって、今シーズンはダメになるものだと思っていましたが、実際には予想以上に実りのあるものとなりました。また新たな競技形式(チーム対抗戦)が作られ、とても興味深いものとなりました。こうしたものすべてが、シニアの大会に慣れるのに大きなプラスとなりました」と語っている。

というわけで、シニアデビューを果たしたトゥトベリゼチームの3選手は、シニア大会での「実践」を無事に終えたと言える。3人とも、年齢的にはトルソワよりも下だが、ウルトラC級の要素では、すでに多くのシニア選手に大きく差をつけている。「チーム・エンジェル」はアレクサンドラ・トルソワにいくつかの有益な広告契約を約束しているが、表彰台への道をより早く形作っているのは、今のところ、元コーチ(で、国際スケート連盟が選ぶ最優秀コーチ)のエテリ・トゥトベリゼの方のようだ。


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