女性への暴力防止「イスタンブール条約」はLGBTコミュニティに奪われた=トルコ政府

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トルコ政府は「イスタンブール条約(女性に対する暴力と家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約)」からの脱退決定について、同条約がLGBTコミュニティによって「支配された」ことを理由として指摘した。トルコ大統領社会連絡管理局の発表で明らかになった。

トルコ政府は20日、「イスタンブール条約」からの脱退を表明した。この決定を受けて欧米各国はトルコ政府に対し、決定を見直すよう呼び掛けている。ホワイトハウスのサイトに公表された声明では、「世界中に生きる女性への暴力に対抗する国際的な運動にとって滅入るような後退」と記されている。

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一方、トルコ政府は同条約からの脱退を決定した理由について、声明の中で次のように記している。

条約は当初、女性の権利保護を目的としていたが、同性愛を規範化しようとする人々の集団によって支配され、トルコの社会的、家族的価値観とは相いれないものとなった。これにより脱退という決定に至った。

欧州連合加盟国ではブルガリア、ハンガリー、チェコ、ラトビア、リトアニア、スロバキアが同条約を批准していない。また、ポーランド政府はLGBTコミュニティが社会全体にジェンダーに関する考え方を押し付けようとしたことを理由に同条約から脱退しようとした経緯がある。

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先にトルコ政府のゼフラ・ジュムルート・セリチュク家族・社会政策相は、国内法で女性の権利保護は保証されていると指摘した。トルコ大統領社会連絡管理局の声明でも、エルドアン大統領は女性の権利保護を徹底する考えを示している。

トルコはすべての女性の権利を引き続き保護し、不寛容の原則を土台とした日常的暴力との戦いは政府が注目するところであることをエルドアン大統領は強調している。トルコ政府は女性の権利保護に向けて具体的な対策を採用している。これらの仕組みは機能している。トルコは女性に対する暴力が一層強まる状況において新たな改革を実現していく。

イスタンブール条約(女性に対する暴力と家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約)は2011年5月11日に欧州評議会の全ての加盟国により採択された。トルコは本条約をいち早く批准しており、その後、33か国が続いた。一方、本条約は「ジェンダー」概念が曖昧なことから、「物議を醸す文書」と呼ばれることも多い。

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