伝承館で展示されるのは、双葉町の中心部の通りに設置されていた「原子力明るい未来のエネルギー」という標語が書かれた看板。1988年に設置されて以来、原発を推進してきた同町のシンボルとされてきたが、福島第一原子力発電所事故発生後の2015年に撤去されていた。
伝承館ではこれまで、看板の実物は保管したままで写真のパネルだけを展示していたが、地元から実物の展示を求める声が上がったため、24日から屋外テラスでの展示を開始した。
この標語を小学生の時に考案した同町出身の大沼勇治さんはこの日、避難先の茨城県から家族と共に来館。「この看板を通して、原子力と共に歩んできた双葉町の住民が今も避難生活を余儀なくされていることを知ってもらいたい」と語った。
東日本大震災・原子力災害伝承館は2020年9月、東日本大震災と原発事故の記録や教訓を後世に伝えることを目的として開館した。