金融サービス企業「Greensill Capital」社の政府融資実現を目的としたホワイトホール通り(ロンドンの通りで、同国の主要な政府機関が位置する)の元同僚であるキャメロン元首相がロビー活動を行なったと指摘されている。同融資は新型コロナウイルスのパンデミックのもとで大企業にとって必要不可欠とされる。しかるべき決定は、2021年3月に同社が破産するまでのわずか数ヶ月のうちに承認されている。
英国の法律に基づけば、営利を目的に国家権力機関の第3者の利益を促進する際には、はじめに政府の公式登録書にロビイストを記録しなければならない。このことが行なわれなかった場合、違反者には罰金7500ポンド(約112万円)が課され、また重大な違反には刑事告発がされる可能性がある。
キャメロン元首相は財務省と直接連絡を行い、リシ・スナック財務大臣にいくつかのテキストメッセージを送り、また首相官邸やイギリス銀行とコンタクトを行なった。こうした試みは成功には至らなかったが、しかし、公的融資への公正なアクセスに関わる問題となった。
現在、ロビイスト・コンサルタントの登録名簿の管理を行う部局が、未登録でありながら、「元首相がロビー活動に関与していたかについて調査」を行なっている。