ブリンケン氏は「先ず重要なのは、ドイツが世界で最も近しい我われの同盟国およびパートナーの1つだということだ。我々は、両国市民の生活に大きな影響を与える多くの問題に日々共同で取り組んでおり、近しいパートナーとして活動している。我われには『ノード・ストリーム 2』による意見の相違があるのは事実であり、それは現実だが、全体としてパートナーシップや関係に影響を与えてはおらず、影響を与えることもない」と語った。
またブリンケン氏は、「(米国の)バイデン大統領が『ノード・ストリーム 2』は欧州にとって、我われ(米国)にとって、同盟(NATO)にとって悪い案であり、悪い取引だと考えていることを明確に示したことを、我われは明確に示した。それはエネルギー安全保障とエネルギー自給の分野のEUの基本原則を損ねる。私が思うに、それはウクライナ、ポーランド、そして我われが無関心ではいられない他の国々にとっての脅威である」と再び述べた。
ブリンケン氏は24日、NATO外相理事会の場で行われたドイツのマース外相との会談後、会談では「ノード・ストリーム2」を巡る意見の相違を解消することはできなかったと述べ、さらに米国側がドイツに対し、ドイツ企業へ制裁を科す恐れについて警告したことを明らかにした。
先にドイツ政府は、米国が「ノードストリーム2」に対して発動した制裁は欧州連合の主権を侵害するものであるとし、制裁解除の実現に向けてバイデン新政権と交渉を進めると発表した。
「ノードストリーム2」
「ノードストリーム2」プロジェクトはバルト海底を経由してロシア沿岸部とドイツを結ぶガスパイプライン。プロジェクト参加者は主に欧州企業。計画では2019年内に建設完了予定だった。
本プロジェクト実施に反対しているのは一連の欧州諸国と、自国天然ガスを欧州に推し進めたい米国。
ロシア側はこれまで何度も「ノードストリーム2」はあくまでも商業的および競争に基づいたプロジェクトであり、ウクライナ経由の欧州へのロシア製ガス輸送の停止を意味するものではないと説明を繰り返してきた。