ソ連アニメーションパークがモスクワに開園 『雪の女王』も『チェブラーシカ』も

© Sputnik「ソユズムリトパーク」
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サイン
2021年3月、『チェブラーシカ』や『雪の女王』や『霧の中のハリネズミ』などの有名なアニメーションを新たな切り口から眺め、アニメーションと最新テクノロジーの世界に没入できるエンターテインメント施設「ソユズムリトパーク」がモスクワにオープンした。スプートニクの記者が「ソユズムリトパーク」を見学した。

ソ連時代の聖地

ソ連の、今はロシアのアニメーション映画制作スタジオ「ソユズムリトフィリム」が2021年で85周年を迎える。エンターテインメント施設「ソユズムリトパーク」はこれを記念してオープンした。

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「ソユズムリトパーク」のボリス・ムィシコフツェフ館長は次のように語る。「現代の世界では、映画スタジオは映画を撮影するだけではダメ。アニメーションの主人公たちが住む世界に子どもたちを誘おうと考えています。」

「ソユズムリトパーク」は、数多くのパビリオンが立ち並び容易に迷子になってしまうソ連時代の聖地「全ロシア博覧センター」の敷地内にある。ここでは1939年から1959年まで全ソ農業博覧会が、1959年から1991年までは国民経済達成博覧会が開催され、毎年ソ連全土から代表団が集まった。オスタンキノ公園と中央植物園を合わせた全ロシア博覧センターの敷地面積は70ヘクタールで、散歩やピクニックに出かければ丸一日楽しむことができる広さがあり、実際、モスクワ市民は暖かい季節にはそのようにして楽しんでいる。全ロシア博覧センターにはソ連映画によく登場するソ連時代の建物やモニュメントがたくさんある。例えば、「労働者とコルホーズの女性像」、「ソ連諸民族友好の噴水」、「石の花の噴水」、ウクライナ・ソビエト共和国館、ウズベク・ソビエト共和国館、宇宙館などの各種パビリオンである。

チェブラーシカの壁とVRアトラクション

「ソユズムリトパーク」の入口で来場者を迎えてくれるのは、数百体のカラフルなチェブラーシカが描かれた壁で、窓から差し込む柔らかい光のおかげで最高の写真スポットとなっている。私たちもカメラマンと記念撮影した。

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最初のホールは、来場者がアニメーション作家の筆になって創作の世界に入り込む。建築家の構想によると、床と壁はキャンバスで、15台のプロジェクターから投影された色とりどりの絵の具がキャンバスを流れていく。動きを追跡する特殊なシステムが用いられており、絵の具の流れは人にぶつかると「堰き止め」られる。人が一歩進めば、ピンクや水色の絵の具が尾を引くように付いて行き、その後、色の渦巻きになったり、他の色と混ざったりする。「ソユズムリトパーク」館長によると、このパビリオンは人工知能が管理しているという。

その隣にはソ連アニメーション映画を題材にしたアトラクションが配置されている。AR(拡張現実)技術を駆使したもので、ヴィンニー・プーフ(ソ連版くまのプーさん)と一緒にハチを追い払ったり、オオカミから逃げたりする。けれど、今のところ来場者数がアトラクションの許容人数を上回っており、このアトラクションで遊ぶには行列に並ばなければならない。

このエンターテインメント施設の2階はVR技術に特化したものとなっている。VRヘッドセットを装着し、筆と絵の具の代わりにコントローラーを手に持てば、誰でも3Dアーティストになれる。自分の描いた絵に一瞬にして「命を吹き込む」こともできるし、自分で色づけをしたキャラクターの絵を読み込み装置に読み込ませれば、数秒後には画面からそのキャラクターが手を振る。3Dペインティングは面白いが、やってみると意外に難しい。コントロールの仕方を覚え、設定をいじるのに結構時間がかかる。さらに実際にやってみて分かったことだか、3Dアーティストになるには優れた平衡感覚が必要だ。そうでないと、常に方角が変わるので、めまいを起こす。

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それぞれのホールが個々のアニメーションをテーマにしており、『ヴィンニー・プーフ』に出てくるウサギの巣穴を通り抜けたり、『霧の中のハリネズミ』に出てくる霧の森で道を探したり、それぞれのアニメーションの世界に入り込むことができる。今のところ表記や説明はロシア語だけだが、将来的には英語表記も追加されるかもしれない。

ツアーを締めくくるのは遊覧飛行だ。ホールの壁には動くフワフワの白い雲。その周囲に座席が配置され、バーチャル・リアリティの世界へと誘ってくれる。ヘッドセットを付け、地面を蹴れば、『プロストクヴァシノ』のネコのマトロスキンと犬のシャーリクと一緒に飛行船の旅がスタートする。目の前に現れるのは詳細に描かれた世界。目の前の積乱雲が消えると、熱帯の島と海が現れる。波が今にもくるぶしに届きそうに感じる(正確に言えば、この世界では「手足」ではなく、茶色い前足と後ろ足なのだけど)。ヘッドセットの重さだけが私たちを現実に引き戻す。

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