研究者らは、古代ワニの化石の断片も含めた約200個のワニの頭蓋骨と顎骨の分析を行い、2億3000万匹のワニとその絶滅した遠い祖先について調査を実施した。絶滅したいくつかのグループは急速な進化をとげていたことが明らかとなった。数百年の間、ワニは、新しい生活環境に急速に順応するため頭蓋骨と顎の形を何度も変化させ、次々に生態系を征服していった。
現在のワニは危険な肉食獣であり、その生息地域はいずれにしても水域に関連する。しかし、進化の過程の当初は、ワニはさまざまな環境で生息していた。研究者らは、地上に恐竜が存在した際には、ワニは海や陸上での暮らしに積極的に順応し、動物であろうが植物であろうが食していたことを解明した。特に研究者らを驚かせたのは、水中と陸上の両方で君臨することを可能にしたワニの進化の速さだった。
発表によれば、研究者は、現代のワニがいかに適応能力が限定されているかに驚かされた。化石の分析は、ワニの祖先が環境に即座に順応する信じ難い能力を持っていたことを示している。いずれにせよ、英国の研究者らは、得られた研究結果が地球の生物学的多様性に関する進化の過程についての研究で新たなページを開いたと確信している。
現代のワニは凶暴な肉食獣として存在し続けているが、しかし、遠い祖先のように俊敏に走ったり、飛び跳ねたりはできない。この間、通信社「スプートニク」は、この鈍重な生き物が人間にとってどれほど危険な存在であるか紹介している。
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