4月2日から4日にかけて読売新聞が実施した全国世論調査によれば、国民のおよそ60%が菅首相に対し、すぐに交代してほしい、または自民党総裁としての任期が切れる9月には交代してほしいと考えていることが分かった。(「今年9月の自民党の総裁任期まで」47%、「すぐに交代してほしい」12%).
しかし、同時に菅内閣の支持率は47%(前回の48%から横ばい)、不支持率は40%(前回42%)となった。このように、菅内閣への支持率は上昇はしていないものの、2ヶ月連続で、支持率が不支持率を上回っている。
菅首相の辞任を求める人、またワクチン接種に関して不満を感じている人がこれだけいるにも関わらず、なぜ菅内閣の支持率と不支持率にはほとんど変化がないのか。この問いに、西川伸一教授は次のように答えている。
西川教授:「菅内閣の支持率が落ちないのは、『ほかに適当な首相候補がいない』との消極的支持のためと思われます。だから、とりあえず9月の総裁任期まではやらせてみるしかないという回答につながるのではないでしょうか。コロナ対策で手詰まり感が漂っていますが、野党の支持率は一向に上がりません。やはり『ほかにない』とのあきらめ、あるいは閉塞感が背景にあるようです」。
また西川氏は、菅内閣が今後、支持率を伸ばす可能性は低いと見ている。
西川教授:「支持率が回復することは考えにくいです。ワクチン接種はなかなか進みませんし、第4波が現実のものとなりつつあります。そんな中、東京オリ・パラが開催できたとしても国民的な盛り上がりは期待薄です。一方で、これだけスキャンダルにまみれても支持率は急落しないのですから、今後もこの状態で推移しそうです」。
一方、菅首相が9月の総裁選で再選される可能性について、西川氏は次のように述べている。
西川教授:「総裁再選のチャンスは総選挙の時期と関係します。総裁選前に総選挙を実施してそこそこ善戦すれば『菅おろし』は起きないでしょう。総選挙を総裁選のあとに送ると、任期満了総選挙とほとんど同じになります。麻生政権のように、追い込まれての解散は与党にいい結果をもたらしません。すると、菅総裁に代わる選挙に勝てそうな総裁を選ぼうということになるかもしれません」。