物理・数理科学博士でロシア科学アカデミー・シュミット記念地球物理学研究所の主任研究員のアレクセイ・リュブシン氏は、日本で2月中旬に発生したマグニチュード7.3の地震について言及している。
自然災害と人為災害の影響
「壊滅的な地震の後には必ず余震が発生する。地震の規模が大きければ大きいほど、余震が収まるまでの期間は長くなる。このケースでは、本震から10年が経過しても余震が発生している。これは地殻の小さなブロックが未だに不安定な状態にあることを物語っている。これらのブロックは動き、こすり合いを続けている。これは年を追うごとによりゆっくりと起こるようになるが、余震は不均衡が続いていることを示している。そして新たなエネルギーの高まりが、小さな地震を引き起こす。」
2011年のような地震は再び起こるのか?
リュブシン氏は、日本で再び2011年の東北地方太平洋沖地震のような大規模な地震が起こる可能性はあるとしているが、別の地域で発生する可能性があるとの見方を示している。「次は、伊豆諸島付近で大きな地震が発生する可能性がある。これは私が分析しているこの場所における地震ノイズ観測から予測できる。ここでは以前に大きな地震が発生していたかもしれないが、東北で先に地震が起こったのはかなり意外だった。そのため、今日、いわゆる日本海溝(太平洋の海溝)の壊滅的なポテンシャルがマグニチュード10に達する可能性があることはすでに認められている。なお、現時点で最も大きな地震は1960年のチリ地震と考えられており、地震の規模はマグニチュード9.5だった。」
科学は今のところまだ地震が発生する正確な日時やその規模を予測することができない。学者らの評価は主に地震活動が高まっているか、または低下しているかの分析に集約される。リュブシン氏は、日本では現在、地震活動が高まっていると指摘している。
なぜ日本なのか?
リュブシン氏によると、現在の状況では、あらゆる要因が地震の引き金になる可能性があるという。例えば、強い台風や火山の噴火などだ。リュブシン氏は、次のように説明しいている。「日本は地震が起きやすい地域にあり、4つのプレート(ユーラシアプレート、フィリピン海プレート、北米プレート、太平洋プレート)が会合する位置にある。これらのプレートは常に互いにこすれ合い、壊れているため、この地域の地殻は非常に細分化している。数多くの地殻の振動は、この事実によって説明される。」
地震学者らは、2011年の地震の後、ユーラシアプレートが東に20メートル移動したとの結論に達した。学者らによると、現在、ユーラシアプレートは東へ移動し続けており、その他の3つのプレートは西へ移動している。年に9センチずつ動いているプレートがこすれ合い、地震が発生している。
また専門家らは、2011年の地震によって地軸が15センチ移動し、1日の長さが1.6マイクロ秒短くなったとの結論に達した。