古生物学者のラリサ・デサンティス氏によると、海氷が溶けているためホッキョクグマはえさを求めて内陸に向かっており、アラスカへ向かうハイイログマと交尾し、その結果、気候変動に対してより耐性があり、高い温度により適した新種のクマが誕生しているという。
またデサンティス氏は、ホッキョクグマの減少について、海洋動物の脂肪からなるそのエサにも原因があると指摘している。ホッキョクグマのえさの大部分は、アザラシの脂肪が占めている。しかし氷河の溶解により、ホッキョクグマは狩りをすることができず、北極圏の温暖化に適応するのも難しいという。
温暖化によるランドスケープの変化は、ハイイログマがさらに北へ移動し、入手可能な獲物を求めてホッキョクグマと争うことも意味している。その場合、ホッキョクグマがすぐに姿を消し、ハイイログマとホッキョクグマの雑種「pizzly bears」がそれに取って代わることを学者らは危惧している。
学者らはまた、気候変動に関連したより深刻な災害も予測している。気温がさらに上昇した場合、南極の氷の3分の1以上が海中に崩落する恐れがある。また地球温暖化による気温の上昇は、熱帯地域に住む人々の絶滅につながる恐れもあるという。