同プロジェクトの目的は、核熱推進力の獲得のためロケット燃料を加熱する核原子炉を開発することにある。現代の宇宙船は電気および化学エンジンを使用しており、その出力は将来の地球の軌道領域の研究にとっては不十分であると国防高等研究計画局の研究者らは考えている。
彼らによれば、Dracoプログラムは、「新たなハイテク核熱動力設備」の開発を目指しており、この設備は「化学エンジン装置に似た高比率の推進力を持ち、しかしその有効率は最大5倍となる」という。専門家らは、実際に核原子炉は、牽引力を生み出すため、ノズルを通じて高温の推進剤を放出する極高温まで燃料を加熱すると説明する。
サイト「Nuclear Engineering」によれば、米国の研究者らは、核エンジンを搭載したロケットの実験を2025年には行なう予定だという。米ゼネラル・アトミックス社の専門家であるクリスティーナ・バック氏は、このような核ロケットは火星への飛行用に使用される可能性があるとの考えを示している。同氏によれば、基本的に新型エンジンは、かなりの長距離を素早く移動できるようにするだけでなく、宇宙での難しい機動を可能にする。
同サイトによれば、NASAでは、これまで電力と火力を用いた2つの核電力プラントタイプを検討していたが、Dracoプロジェクトによる核熱設備をより有望視し、プロジェクトへの出資を準備しているという。
この間、通信社「スプートニク」は、ロシアの研究者らが核エネルギーを利用したロケットエンジンの使用で木星と土星を対象とする宇宙ミッションを計画していると報じた。
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