韓国政府はまた、日本の食料品に対する放射性物質検査を強化するとともに、より多くの都道府県の食品の輸入を禁止すると発表した。しかし、それでも一般の人々の懸念は払拭されていない。水産物だけを扱う市場では、「日本製」と書かれてあるだけですべて素通りされるようになった。福島から離れた場所で採れたものだと説明しても、すでに状況を変えることはできなくなっている。
ソウルにある鷺梁津水産市場の売り子の一人は、「アサリは韓国でも獲れたものです!日本のホタテは放射性物質検査を受け、安全が確認されたものしか売りません。しかしそう説明してもほとんどの人は信じてくれません」と説明する。
また韓国の通信社ニューシスは、新型コロナでも売上が大幅に減少したというのに、福島原発の汚染水が放出されるとなると、水産物への安全性に対する信頼はそれが日本製であれ韓国製であれ、最低にまで落ちるだろうというある売り子の言葉を伝えている。こうしたすべてにより、韓国市民は、日本政府の決定にさらに反対するようになっている。
一方、消費者の一人は「もうすぐ夫の誕生日で、刺身を買おうと思ってきました。でも、日本が汚染水を海洋放出すると知り、以前ほど買いたいとは思わなくなりました。ときどき、原産国の表示の規則に違反している会社があるというニュースを聞いたりすると、誰を信じていいのか、水産物を食べていいのか心配になります」と語っている。
韓国水産市場の代表は、日本の水産物は全体の3%にすぎず、1週間に3回、放射性物質の検査を行っていると強調している。しかし、日本政府の決定により、悲劇的な結果がもたらされるかもしれないという議論は止まず、消費者の中には、海洋放出後、安全が確認されるまでの一定期間、水産物をまったく食べないようにするという人もいるとのこと。
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