同紙のインタビューに応えた11歳のイルハン・ユルディリム君の母親は、息子がパンデミックの1年間で27キロも体重が増加したと語った。ロックダウンまではイルハン君は週に5回運動を行なっており、キックボクシングや水泳、自転車に取り組んでいた。しかし、自己検疫からまったく運動をしなくなってしまった。
ディ・ヴェルト紙に対し、この問題に取り組むミュンヘン大学の研究責任者であるボルトリド・カレツコ教授は、残念なことに、多くの親たちが子どもの肥満の問題に直面するようになったと語った。同教授によれば、研究によってパンデミック時に子どもたちの運動が40%減少したことが示されたという。10歳から14歳までの子どもではこの指数は最大60%にまで達している。一方でポテトチップやピザ、その他の不健康な食べ物の消費が20%増加した。その際、同教授は、子どもの肥満リスクは経済的困窮度が高い家庭ほどその傾向が強くなると指摘した。
同教授は、パンデミック時に学校のスポーツ施設に誰もいなくなり、スポーツレジャーに参加できなくなったことから、多くの子どもたちが人生の中で肥満に起因する病気を発症するおそれが生じていると警告する。11歳のイリハム君はこうしたリスクを回避したいと望んでいる。彼の一番の願いは、再び定期的にスポーツに取り組み、パンデミックや肥満のことを忘れることだという。
この間、通信社「スプートニク」は、肥満の人々ではコロナウイルスのワクチン接種後に抗体反応が弱かったことが示されたというイタリアの医師らの研究結果を紹介している。