トロント大学臨床生化学研究室の室長で、トロントにあるマウント・サイナイ病院臨床生化学部の責任者を務めるエレフテリオス・ディアマンディス氏は、気候変動は外部世界だけでなく、ヒトの体内のマイクロバイオーム(微生物叢)でも人間にとって危険な新しい病原体の出現を引き起こす可能性があると主張している。また、体内のウイルスは外部に存在するウイルスよりもはるかに危険な可能性があるという。
ディアマンディス氏によると、コロナウイルスのように何らかの動物といった外からウイルスに感染するとは限らない。科学的データは、ヒトの腸内微生物叢には重要な臓器の機能に影響を与える可能性のある数十億ものウイルスが含まれていることを示しているという。
ディアマンディス氏は研究で、腸内細菌が突然、ウイルスタンパク質を産生し始め、ビリオンが全身に広がり、人から人へと感染するという架空のシナリオを調べており、このようなウイルスの病原性多様体は、失明、呼吸器不全、肝不全、心不全、腎不全などの症状を伴う新たなパンデミックを引き起こす恐れがあると考えている。
ディアマンディス氏は「それらは私たちの文明の完全な衰退を引き起こす可能性があり、人類の絶滅につながる恐れもある」としている。