ベラルーシ国家保安委員会(KGB)は拘束された4人の市民を起訴しており、容疑者らはいずれも罪を認めて自白しているという。
ルカシェンコ大統領によると、容疑者らは5月9日にクーデターを計画していたとのこと。容疑者らは大統領の殺害、大統領専用車の襲撃、郊外にある別荘の襲撃という3つのシナリオを予定したという。クーデターを目的に容疑者らはグレネードランチャーなどを購入して国内に持ち込んでいたとルカシェンコ大統領は指摘している。さらに、別荘襲撃計画として容疑者らは1000万ドルを確保し、スナイパー1人あたり100万ドルの報酬を支払う用意もあったとのこと。
ベラルーシのベルタ通信はルカシェンコ大統領のコメントを次のように引用している。
我々は彼らを調査していた、彼らはミンスクに来て、この作戦を実行するはずだった……我々は彼らの足取り、1つ1つをチェックしている。
この作戦にはベラルーシ軍の将軍も関与していたが、将軍は買収された振りをしており、計画の情報を政府に提供したという。
彼は我々の工作員だ。よくやった。ありがとうと言いたい、彼は我々を大いに助けた、恐れることなく。連中は彼を通して軍を蜂起させようとしていた。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は17日、大統領一家の暗殺を計画したとされる外国人グループを摘発したことを明らかにした。ルカシェンコ大統領はこのグループに米国の特殊部隊が関与したと指摘している。また、ルカシェンコ大統領によると、ウラジーミル・プーチン露大統領はジョー・バイデン米大統領と行った電話会談でもベラルーシ大統領の暗殺計画について問題提起を行ったという。
ベラルーシと米国の二重国籍を持つ弁護士のユーリー・ゼンコヴィチ氏と政治学者のアレクサンドル・フェドゥタ氏、そして野党「ベラルーシ人民戦線」のグリゴリー・コストゥスョフ党首を含む数名がルカシェンコ大統領の暗殺計画に関与したとしてロシア連邦保安庁の職員によってロシア国内で拘束された。いずれも容疑を認めている。
容疑者らはいずれも5月9日の戦勝記念日にあわせてルカシェンコ大統領を暗殺し、ウクライナやベラルーシの民族主義者を結集してカラー革命を目指していたとされている。
ベラルーシKGBによると、ゼンコヴィチ氏は米国の特殊部隊と関係があったとのこと。一方、米国務省のネッド・プライス報道官はリアノーボスチ通信の取材に応じた中で、「米国政府がルカシェンコ殺害の試みを支援し、それに関与したという憶測はいずれも完全な虚偽」と発言した。