アクシオスの情報筋によると、対外諜報機関「モサド」のコーエン長官は別件でワシントンD.C.を訪問中で、バイデン大統領との会談は4月30日になって急遽開かれることになったという。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はバイデン大統領との会談を前にイランに関する情報をコーエン長官に提供し、バイデン氏との会談後に長官から更新された情報を受け取ったとのこと。
先にアクシオスは、イスラエル側から国家安全保障会議のベン・シャバト議長、イスラエル国防軍のアヴィヴ・コハヴィ参謀総長、軍事諜報部隊のタミル・ヘイマン所長、そして「モサド」のヨシー・コーエン長官が米ワシントンD.C.を訪問してイラン情勢を協議すると報じていた。
オーストリアの首都ウィーンでは数週間にわたってイラン核合意に関する対面協議が進められている。そうした協議の合間には非公式の会議も開かれているという。現時点で3つの専門家グループが設置されたが、そのうち2つは米国による対イラン制裁の解除と核問題を検討するもので、核合意の完全な復活に向けてイランと米国が行うべき具体的アプローチについて模索が続けられている。3つ目の専門家グループはこうしたアプローチの一貫性を調整することを課題としている。
イランは米国が包括的共同行動計画から脱退してちょうど1年後の2019年、合意に定められていた履行義務を段階的に解除する姿勢を示した。そして核研究や遠心分離機、ウラン濃縮レベルについても規制を解除するとしていた。
2020年末にイランは新たな法律を施行した。仮にイランが石油貿易と財務上の取引を自由に行うことが認められない場合、イランは高濃縮ウランの製造開始、高出力の遠心分離機の設置、国際原子力機関(IAEA)による拡大調査の拒否をこの法律によって義務付けた。
関連ニュース