幼児のための自閉症チェックアプリ

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米国の研究者グループが開発したスマホやタブレット用のアプリが、自閉症の人に特徴的とされる、人に対する視線注視の弱さや視線追跡の不安定さを基準に、3歳までの自閉症スペクトラム障害(ASD)の幼児と定型発達の幼児とを高率で区別することに成功した。アプリは、自閉症の診断を下す助けとなり、現在、一般的に診断が下される平均的な年齢よりもはるかに早い段階で、療育を開始することを可能にするものである。

開発者らは、このアプリは、社会性障害を持つASDの兆候を低年齢時に特定するのに適用することができるとし、これほど簡単に使用することができる同様の技術はこれまでになかったと強調している。このアプリに関する記事は学術誌「JAMAペディアトリクス」に掲載された。

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ASDの診断はできるだけ早期に下すことがきわめて重要である。それにより、少しでも早く療育を開始することができるからである。しかし、現代、診断に使われるアイトラッカー(視点の場所や、頭部に対する眼球の動きを計測し、追跡する設備)は、測定や操作に専門の技能を身につけた人員が必要とされることから、その利用は限られている。一方、社会的行動、発達、成長に関する保護者への聞き取りには読み書きが必要であり、少数民族や教育レベルの低い保護者やASDについての知識が乏しい保護者に対しては効果が期待できない。

デューク大学のチャン・チュオチン(Zhuoqing Chang)氏と同大学の研究員たちが開発したのは、子どもたちの視線を観察するためのiOS搭載機器用アプリ。社会的刺激に対する視線注視の低下はASDの特徴の一つだからである。アプリは、月齢17.1から36.9歳までの幼児993人を大人の膝の上に座らせ、1分間の動画を見せている間に、機器に備え付けられたカメラで子どもの行動を撮影し、コンピュータビジョンのアルゴリズムを使って分析を行うというものである。

アプリは、収集されたデータを基に、子どもが定型発達かASD傾向があるかを特定する。研究者らは、これは正確な診断にはならないとしながらも、発達になんらかの歪みがある可能性を早期に発見し、診察に繋げることができるものだと述べている。また、開発者らは、今後もこのアプリの可能性を広げていく計画で、表情の追跡や自分の名前に対する反応、感覚特性などのチェック機能を加えていきたいとしている。

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