事態の調査は2015年に始まった。同製薬はイタリア中部在住の男性(60)に異常性欲とギャンブル依存を生じさせた。この男性は40歳だった1999年にパーキンソン病と診断され、2001年から2006年まで製薬カバサールを処方された。ファイザー社がこうした副作用を確認したのは2007年になってからだった。
報道によれば、同氏が薬を飲み続けた5年間で彼の人生は180度変わってしまったいう。彼はギャンブルにはまり、仕事を首になり、多額の借金を抱えるようになってしまった。
裁判の際に同氏は、「最初に症状が現われたのは薬を飲み始めて数ヶ月が経ったころ。私は異常に性欲が高まり、その後、ギャンブルを始めました。自分の気が狂ったのではないかと思いました」と語った。裁判の過程で行われた鑑定により製薬の定期的な服用がこうした副作用を生じさせたと立証された。
イタリアの裁判所は、ファイザー社の支所に対し賠償金50万ユーロ(約6570万円)を患者に支払うよう命じた。