アレルギー喘息は免疫グロブリンIgEや、免疫細胞によって分泌されるシグナルタンパク質といった2種類のサイトカイン(インターロイキンIL-4とIL-13)のレベルを高める特徴をもつ。少なくとも毎年25万人が喘息に関連して亡くなっている。
パリのパスツール研究所のローラン・レーバー氏が指導するフランスの研究者らは、米国の研究者らの協力を得て、インターロイキンIL-4とIL-13に対するワクチンを開発した。このワクチンはマウスの慢性喘息の重症度を全体として軽減させることが明らかとなり、その際、IgEレベルは低下し、気管支内の粘液形成を最長15週間減少させる。
その後、研究者らはヒト化モデルでワクチンの効果を確認した。このモデルはヒト型のインターロイキンIL-4とIL-13を持ち、これらと関連する接受体IL-4Raを有する動物のことをさす。こうしたマウスではワクチン接種がこれら2つのサイトカインのレベルを少なくとも11週間抑制したことが分かった。
研究者らは、こうした解明が毎年のアレルギー喘息の苦しみから多くの人たちを保護する効果的な製薬を開発することを可能にすることに期待している。