調査会社は、「ダークサイド」が利用していた仮想通貨ウォレットのトランザクション履歴を分析し、少なくとも74の企業や団体がハッカー集団に身代金を払ったことを明らかにした。報告によると、身代金の平均額は190万ドルに達するという。コロニアル・パイプライン社が支払った身代金は75ビットコインで、これは5月8日時点のレートでおよそ500万ドルに相当する。
調査は、 ハッカー集団が過去9ヶ月の間に行った活動を基に分析されている。
ハッカー集団が受け取った身代金の多くは、仮想通貨で振り込まれたとみられている。
「ダークサイド」の収益は5月、過去最多となった。ハッカー集団は既に解散を発表しており、その仮想通貨ウォレットは空の状態となっている。
パイプラインに対するサイバー攻撃
米国のパイプライン最大手「コロニアル・パイプライン」は7日、同社のシステムがサイバー攻撃にあったことを発表した。米運輸省は10日、サイバー攻撃によるコロニアル・パイプラインのシステム停止を受け、南部テキサスや東部ニューヨークなど18の州に緊急事態を発出した。
米連邦捜査局(FBI)は身代金を要求する集団「ダークサイド」によるサイバー攻撃がロシア領内から実施されたと断定しており、米国政府はロシア政府に対し、「責任ある行動」を取るよう呼び掛けた。
一方、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシア政府がこの事件について米政府と対話の姿勢を取るかという質問に、「米国はサイバー犯罪対抗への協力を拒否している」と指摘した。