ニューデリーテレビジョン(NDTV)の報道によれば、45歳のある男性患者はCOVID-19に罹患し、数週間にわたって通院し、快方に向かっていたが、突然容態が悪くなった。まず顔に始まった浮腫のために瞼を開けることができなくなり、続いて鼻血が始まった。チャギ医師は患者には疲労感、食欲不振、体重の減少、傷の治りの悪さといった症状が見られ、悪化すると壊疽になりかねない状態だと話している。
チャギ医師によれば、「黄色カビ」は通常爬虫類にみられる。医師はヒトへの繁殖例は初めて見たとし、患者の容態は「極めて良好とは言い難い」と語っている。DNAインディアの報道によれば、患者の治療には真菌を殺菌するアムホテリシンBを用いる必要がある。
5月初め、インドでコロナ罹患者の中に「黒いカビ」と言われるムコール病の感染が急増した。これはムコールミセテスという真菌の引き起こす感染症で非常に珍しい。ムコールミセテスは通常、土壌、植物、動物の糞、腐食した果物、野菜の中に存在している。真菌は鼻腔、脳、肺に侵入し、免疫低下を引き起こす。これによる死亡率は25%以上。
インドでは黒いカビの他に「白いカビ」による感染例も確認されている。白いカビは胸郭細胞、肺に侵入すると、浮腫やしつこい頭痛を招くことがある。
タイムズ・オブ・インディアの報道によれば、専門家らはこの「黄色カビ」について、多臓器不全や壊死を引き起こす恐れがあることからこれまで検出されている2種の真菌「黒いカビ」「白いカビ」よりずっと危険度が高いと危惧感を表している。真菌の感染の大半は不衛生な生活条件から発生するが、医師らは、重症のコロナウイルスの治療でステロイド剤が用いられていることに起因していると見ている。ステロイドは肺炎の治療薬とはなるものの、同時に免疫低下を起こし、血糖値を上げてしまう。
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