13日、東京オリンピック・パラリンピック中止を求める要請を行なった医師の労働組合「全国医師ユニオン」の植山直人代表は、スプートニクとのインタビューで「日本では、大手マスコミも明確な反対の社説を出すべきだ。日本は同調圧力が強いために誰かが言いださなければ、なかなか既定路線を変更することはできない」と指摘していた。朝日新聞は、まさにその先陣を切ったといえる。
しかし、朝日新聞社は26日、「お知らせ」欄で「東京2020オフィシャルパートナーとして」という文書を発表し、感染状況などを注視し、オフィシャルパートナーとしての活動を続けていくことを明らかにした。
そこで、朝日新聞社の五輪に対する立場について更なる詳細を知るべく、「社説の見解は、朝日新聞社全体の総意か」「中止を呼びかけながらオフィシャルパートナーとしての活動を続けるというのは矛盾ではないか」「報道機関としての立場をより明確にするため、オフィシャルパートナーを辞退し五輪に関わる事象を報道していくという選択はできないのか」の3点について質問を送ったところ、広報部よりまとめて回答を得たので、全文をご紹介する。
「オフィシャルパートナーとしての見解は朝日新聞社のコーポレートサイトに掲載しました。そちらにもありますように、オフィシャルパートナーとしての活動と言論機関としての報道は一線を画しています。オフィシャルパートナーとしての活動は、感染状況などを注視し、続けてまいります。一方、五輪に関わる事象を時々刻々、公正な視点で報じていくことに変わりありません。社説も含めた報道内容については、朝日新聞紙面や朝日新聞デジタルに掲載したことがすべてです。今後も引き続き、多角的な視点からの議論や提言に努めます。」
東京2020には、朝日新聞社以外にも読売新聞社、日本経済新聞社、毎日新聞社がオフィシャルパートナーとして名を連ねている。朝日に続き、国を代表するメディアとして五輪への賛否を社説で表明する新聞社が出るのか、注目が集まっている。