現代の中国の若者世代は、「一人っ子政策」時代に育ち、自分たちの2倍もいる年金生活者を支えるために、親よりも懸命に働くことを求められてきた。しかし、給料は多くないため、生活費を稼ぐためにはしばしば残業することを余儀なくされている。
そんな中、「タン・ピン」という新たな哲学は、容赦なく若者に就職させ、朝から晩まで働かせ、キャリアアップし、昇進しなければならないという社会からの大きな圧力に対抗するものとして生まれた。
「タン・ピン」という言葉はソーシャルネットワーク「バイドゥティエバ(百度貼吧)」から出てきたものとされている。最初にこの言葉を使ったのは、2年もの間仕事をせず、それでもなんの問題もないという内容の投稿をした人物である。一般的な解釈での成功を追い求めるより、横になり、ゆったり過ごすことを選んだと綴っている。この投稿は大きな反響を呼び、「タン・ピン」という言葉はその他のメディアにも広がっていった。
一方、国営メディアはこの「タン・ピン」哲学に真っ向から対決する姿勢を見せている。さまざまなメディアで、自分のやりたいように行動するという権利を謳った思想に対する批判的な記事が次々と見られるようになっている。
これに関連して、南方日報は、「いずれにしても、若者には将来に対する確信を持つべきである。中国は世界でもっとも人口の多い国であり、豊富な労働資源を有し、市場においても高い優位性を持っている。幸福になるための唯一の方法は労働を通じた道である」と説いている。一方、北京の「光明日報」はさらに厳しい論調で、「ぐうたらな社会は経済発展にも社会発展にも有益であるはずがない」と断じている。
最近、中国は若い労働力不足の問題を解決しようとしている。中国共産党中央政治局の会議では、1組の夫婦が3人まで子供を持つことを容認することが決定されたというニュースは「スプートニク」の過去の記事からお読みいただけます。
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