前例のない景気低迷
パンデミック発生当初、専門家らは2008年に世界が陥った深刻な景気後退の再来を予測していたが、現実はその何倍も厳しいものとなった。経済は米国の大恐慌以来の打撃を受けた。
新型コロナウイルスによる隔離措置による悪影響はあらゆる部門に広がり、世界銀行の試算によれば、2020年の世界のGDPは3.5%減少、これは2008年の減少率の2倍となる数字である。危機は、厳格なロックダウンを宣言した先進国により大きな打撃を与えた。世界銀行の専門家によれば、世界経済の損失は2021年末までに7兆ドル(およそ769兆5,600億円)にのぼり、これは米国と中国の年間国家予算の合計(米国=およそ450兆円、中国=およそ351兆円)に相当する。
急速な経済回復
アナリストらは、記録的な景気低迷からの回復は、同様に記録的に急速なものになるだろうと予測している。世界銀行が6月に発表した「世界経済見通し」では、経済成長率8.5%の中国、インド(8.3%)、米国(6.8%)の経済活動の勢いにより、2021年の世界実質GDP伸び率は5.6%と見込まれている。一方、ロシア経済については、国内GDPの成長率は3.2%で、経済は危機前のレベルにまで回復すると見ている。また2020年の経済活動が5.3%縮小した日本の2021年の経済成長率は2.5%と予測している。
新型コロナウイルスの流行により、中国南部の複数の港が閉鎖されたことから、世界的なサプライチェーンの混乱が引き起こされる可能性があるという話題については、「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。