医師らは、影響を受けた初期の肺組織の状態を治療する効果的な方法の1っとして、肺組織や筋肉、末梢神経、つまりは呼吸器システム全体をトレーニングする一連の呼吸訓練を紹介した。
科学的な視点にもとづくさまざまな呼吸器系の訓練は、空気の吸入と呼気の量と上気道を通じた空気の流れ(その速度と長さ)といった2つのパラメーターのコントロールとされる。
同訓練機器によって呼吸の統計を集め、患者の状況を分析することが可能となる。
このような呼吸器用の訓練機器を有限責任私会社「バイオフィズシグナル」社が開発した。開発作業は、南部連邦大学付属電波工学管理システム研究所の組立および無線受信システム科の主任で技術科学博士のセルゲイ・シニューチン氏が指導を行った。
人が管を通じて呼吸すると、マイクロコントローラーに接続したセンサーが空気の流れを捉える。このコントローラーが加工処理を行い、無線チャンネルを通じてデータをアンドロイドのデバイスに送信する。アンドロイド機器のソフトが特定の画像としてこの情報を表示する。
同博士は、「たとえば、規定時間で一定サイズの風船を膨らまさなければならないというものがある。実際の風船と同様に、この風船にも抗力があり、膨らませるために力が必要となる。こうして呼吸システムの訓練が行われる。他にも、急激な呼気によって花びらを吹き飛ばす訓練用の画像ゲームが用意されている」と強調した。
プロセスのパラメーターを変更することで、徐々に課題の難度を上げ、それによって必要な治療効果を得ることが可能となる。呼吸用訓練機器はゲーム形式だけではなく、人間の呼吸システムの実際のパラメーターを測定し、それによって医療の安全性を確保している。そのため、その人が持っている力以上で課題を克服しようとした場合、機器が察知し、プロセスを中断する。
訓練機器は、気道の慢性疾患や喘息、新型コロナウイルスによるものを含めた呼吸器の後遺症を患っている人に有益となる。研究者らによれば、現在、同機器は研究所での試験段階にあるという。
関連ニュース