モスクワ州HIV予防・対策センターの医師の1人によって6月に診察が行われた700人のうち、30人がHIVを理由にワクチン接種が拒否されたという報告について基金「HIVセンター」のセルゲイ・アブドゥラフマノフ代表がロシアメディア「RBCインフォメーションシステム」に説明した。基金がすべての訴えを統計しているわけではない。アブドゥラフマノフ代表によれば、HIV感染を理由に医療提供を拒否された全員が基金にそのことを報告しているわけではないため、訴えの数は「氷山の一角」でしかないという。
同センターがロシア保健省のミハイル・ムラシュコ相に当てた書簡では、「新型コロナウイルスのパンデミックの条件の中で、HIV患者へ援助を行う基金『HIVウイルスセンター』は、ワクチン接種に関するHIV患者への差別のケースを記録している。(略)HIV患者へのワクチン接種拒否の実態は医療勧告に真っ向から反し、なによりも患者の利益に反する」と指摘している。
同書簡によれば、HIVはワクチン接種の禁忌であるという信じ難い情報は、いくつかの医療機関のサイトに存在する。同基金はロシア保健省に、病院や医療機関、ワクチン接種の拠点に対し、HIV感染者のワクチン接種を拒否しないよう働きかけることを要請している。