氷河「プレゼナ」は、イタリア最古のアルペンスキー場の1つで、旅行者向けに11月から5月にかけてオープンされる。1990年代の半ばから研究者らは同氷河の急激な溶解を指摘し始め、それを防止するための独自措置を研究していた。2008年からアルペンスキーのシーズンオフとなる夏季に、研究者らは特殊なシートで氷河を覆い始めた。このシートは太陽光を反射し、雪の低温を維持する。
12万平方メートルにおよぶ氷河表面を覆うため、研究者らは、幅5メートル、長さ70メートルの巨大な帯状のシートを敷いた。その後、温風のわずかな侵入を防止するため、それぞれが慎重に結びつけられた。さらに、広げられたシートが氷河の表面をしっかりと覆うため砂入り袋で固定された。
シートで氷河を覆うのには1ヶ月以上かかるが、しかし、研究者らによれば、こうした努力が目に見える成果を残し、2008年以降、同氷河の70%は溶解から守られている。
世界中の研究者らが、この5年間で地上の氷河溶解のスピードが、年間2670億トンから3000億トンに加速したと警告していると報じた。特に、インドのヒマラヤ山脈、欧州大陸のアルプスでこのプロセスが急速に進行している。