債務不履行
Fitch社の試算では、2021年の上半期に中国25社が総額およそ100億ドル(約1兆1000億円)のデフォルトを公表した。これは中国の国内総生産(GDP)の約121%に相当し、同国の金融市場の歴史上でもっとも深刻な割合となっている。同社はこの場合デフォルトの半分以上は国家機関だが、とはいえ2019年にはこの部門が占める割合はわずか10%程度だったと強調する。
危険な負担(債務負担)
Fitch社によれば、パンデミックの下で中国は米国より早くロックダウンから抜け出し、世界最大の外国の直接投資先となった。今日、香港も含め中国は、企業数で米国を上回り、欧州連合(EU)の貿易パートナーの地位を米国から奪っている。これに関しエコノミストは、中国が2028年どころか、2026年には世界最大の経済大国になる可能性を否定していない。
しかし、中国のそうした達成の反面には企業の莫大な負債があったとFitch社は強調する。専門家によれば、中国だけが世界の経済大国となるや否や、この債務のバブルが弾け、2008年の危機に匹敵する崩壊を招くことになるという。
中国のシナリオ
専門家は中国企業の巨大な負債の発生を次のように説明する。2008年の金融危機の後、中国政府は積極的に借金をし、欧米企業の大規模な買収を行うことで最新テクノロジーへのアクセスを入手した。シャドー・バンキング・システムが巨額のクレジットを集めることを可能にしたが、今日、専門家は、シャドー・セクターの負債を13兆ドル(約1420兆円)と試算する。その場合、国のクレジット市場の総規模は17兆ドル(約1870兆円)となる。
クレジット危機
ローン返済の遅れは証券の売却を誘発し、中国ではクレジット危機が差し迫っている。今後2年のうちに中国企業には2兆1400億ドル(約234兆9900億円)の返済または借り換えが迫っており、過去2年より60%多く、そのため政府の融資に期待することはこれ以上できない。国の債務を削減する中国政府の新しい政策は、企業規律の発展と国のクレジット市場の健全化を目的とする。
この間、通信社「スプートニク」は、中国の輸出拡大について報じている。2021年6月に中国は米国と欧州、世界の他の国々に昨年同期比で30%超の輸出拡大を達成している。
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