研究者らは今回、原発性腫瘍と転移性腫瘍の両方に攻撃する化合物「ErSO」を合成した。実験を行ってみたところ、高用量のErSOを投与しても動物は耐えることができ、治療開始して数日後には、がん細胞は平均して99%以上の確率で縮小した。
この治療法の特徴は、副作用がないという点。ErSOの活性は、ほとんどの乳がん細胞にみられるエストロゲン受容体に左右される。ErSOがこの受容体と結合すると、a-UPR(小胞体ストレス応答)が活性化し、がん細胞を迅速に壊死させたという。
研究者らは、ErSOを投与しても完全に退縮せずに生き残ったがん細胞が、投与後数ヶ月以内に再び成長したとしても、再度のErSOで十分な効果は現れると指摘している。研究者らは今後、ErSOの効果をヒトで試験し、他の種類のがんにも効くかどうかを調べていくという。
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