パラテチス湖の悲劇=地球史最大の湖はどのようにして消滅したのか

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地球最大の湖であるパラテチス湖の出現と消滅の経緯を詳細に説明するのに成功した。この湖は、最大の水量を湛えていたときには、アルプス山脈からアルタイ山脈に広がっており、現在のクリミアとカフカスはその湖に浮かぶ小さな島に過ぎなかった。パラテチス湖の水量は、現存する世界のすべての淡水湖と塩湖の10倍に相当していたことから、この湖の消滅は環境に悲劇的な被害を及ぼした。

テチス海の遺産

国際的な地質学者チームは、大規模な層序研究を行い、巨大なパラテチス湖が出現したのはおよそ1,200万年前で、古代の超大陸を南半球のローラシア大陸と北半球のゴンドワナ大陸に分裂させていたテチス海が少しずつ縮まり、地中海とパラテチス湖の2つに分かれたことによる。そして分水界は、中央ヨーロッパの山脈で地表のプレートが破壊されたことにより、持ち上げられた。

ゾウ誕生の地

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研究者らは巨大湖パラテチスの貴重な生態系についても研究を行なった。そこには、地球上でもっとも小型のクジラ、イルカ、アザラシが住んでいた。生物学者らによれば、動物は湖の大きさの変化に都度、適応してきたが、パラテチス湖の岸は非常に豊かな動物相を持っていたという。巨大湖の水位が下がるに従って、沿岸線は植物が豊富な草原になった。研究チームは、レイヨウ、ゾウ、キリンなどアフリカの多くの哺乳類が、パラテチス湖の南岸、現在のイラン西部で生まれたことを証明した。

海に流出した湖

パラテチス湖を消滅させた悲劇は、600万年ほど前に起こった。地殻変動が続き、地中海の西側の山が隆起し、このとき北半球の氷山が拡大し、世界の海の水位が120メートルほど低下した。結果、地中海は大西洋から切り離され、数千年かけてほぼ完全に枯渇した。一方のパラテチス湖はカフカス山脈の隆起により、水位が上がり、その後、湖は現在のボスポラス海峡あたりにあった堰を破って流出し、200〜250メートルの高さから地中海盆地に注ぎ込んだ。黒海、アゾフ海、カスピ海、すでに枯渇したアラル海、イランにあるいくつかの湖は、パラテチス湖のなごりである。

過去2億6000年の間に発生した地質学的な出来事や大災害のデータの分析によって、地質活動が2,750万年周期で繰返されていることが分かったというニュースについては、こちらからお読みいただけます。

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