タナー氏は新原生代時代の地層を調査した。この地層は地球の歴史上で最初の氷河時代の一時期が始まるまでの数億年に形成された。そこで同氏は枝分かれした珍しい痕跡を発見した。これはたくさんの管状構造からなり、長さはミリメートルから数センチだった。同氏によれば、化石はタンパク質の外郭をもつ古代の海綿生物の残片を想起させる。
発見物は約8億9000万年前のものと想定される。このことは、多細胞生物は、5億5000万年前にさまざまな形態の複雑な生体が突然出現したカンブリア爆発までの3億5000万年の間に現れたことを物語っている。痕跡の起源に関するデータが確認された場合、多細胞生物が大海の酸素濃度が上昇する以前に発生したことを物理的にはじめて証明したことになる。
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