これまでのところ、宇宙旅行による全体的な二酸化炭素排出量についてはほとんど分かっておらず、専門家の間でも意見が分かれている。NASAのシニア気象アドバイザーであるギャビン・シュミット氏は、1回のフライトによる二酸化炭素排出量は、商用航空やその他の人間活動に比べてごくわずかであると報告している。しかし、フランスの宇宙物理学者ローラン・レフク氏はその考えに同意しておらず、先日リチャード・ブランソン氏が米宇宙関連企業ヴァージン・ギャラクティックで宇宙旅行した際の排出量は、乗用車での世界一周旅行と同じであると分析している。
しかし、研究者らは長期的なダメージについて強い懸念を示している。ヴァージン・ギャラクティック社だけで年間400回の宇宙旅行を行えば、十分に研究されていない高層大気にダメージを与える可能性がある。
英国の億万長者リチャード・ブランソン氏は11日、自身が創業したヴァージン・ギャラクティックの宇宙船VSSユニティに搭乗してサブオービタル飛行(弾道飛行)に出発した。同氏が乗った宇宙船は、大気圏と宇宙の境界付近まで上昇した後、無事に地球へ帰還した。
その後の20日には、アマゾンの創始者で世界一の富裕者のジェフ・ベゾス氏が自社ブルーオリジンが開発製造した宇宙船に乗りこみ、人生初のサブオービタル宇宙旅行へと出発している。