タイムズ紙が引用している衛星画像によれば、中国は新疆ウイグル自治区で、面積800平方キロに及ぶ核ミサイルの地下格納庫を建設している。一方、タイムズ紙は、中国はこれ以外にも新たな施設の建設を行っていると強調している。
それによれば、この施設の近くで、国境からかなり離れた場所に別の大陸間弾道ミサイル用の地下施設が建設されており、タイムズ紙は、これはまさに中国が核戦力を増強しようとしていることを明確に示すものだと指摘している。
米国の非営利団体「米国科学者連盟」の研究者らは、かなり近い場所に建設されている2つの極秘施設を調査し、中国は核ミサイルの格納および発射のための2つの新たな施設を建設しているとの確信を示した。1つ目の施設には110、2つ目の施設には120の建造物が配置されることになるとしている。米国の研究者らは、これは中国による歴史上最大となる核戦力の増強であると指摘している。タイムズ紙は、「米国科学者連盟」の研究者らの発言を引用し、中国で建設されている地下発射施設の数は、ロシアの大陸間弾道ミサイルの発射基地の数を上回り、米国の発射基地のほぼ半分にあたるとし、地下発射施設の建設プログラムは、ソ連と米国が核施設の建設を進めていた冷戦時代以来、もっとも規模の大きなものとなっていると伝えている。
一方、タイムズ紙によれば、英国のジャーナリストは、これらの情報から、中国は最小限抑止の政策をやめ、大国としての地位を強調し、米国、ロシア、インドなど他の核大国を前に防衛システムの権威を強固なものにするため、核戦力を最大限増強するという路線に転換したとの確信を示している。
米国の核戦力の近代化に関連した問題で、大陸間弾道ミサイル「ミニットマンⅢ」が発射実験の際にコンピュータの故障を検知し、発射プロセスが停止したというニュースについては、「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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