2021年春、雲南省シーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州の自然保護区に生息するアジアゾウの群れが生息地を離れ、移動を開始した。ゾウの群れは数カ月にわたって雲南省で放浪を続けていたが、この度、生息地に戻った。雲南省当局は、ゾウの群れの移動ルートを注意深く監視し、ゾウやゾウたちが通過する集落の住民の安全を確保するための措置を講じてきた。
雲南省当局は「8月8日現在、15万人以上が避難した」と発表した。
また雲南省の林草局によると、状況を確実に管理するため、警察官やその他の作業員2万5000人以上が動員され、ゾウの群れの移動ルートを追跡する無人機970機以上と1500台以上の車両が投入された。さらに移動中、ゾウたちには180トン以上のエサが与えられた。
中国では近年、アジアゾウを保護するための一連の措置が導入されており、その結果、ゾウの個体数は毎年3〜5%増加している。個体数の増加は生息域の拡大を意味しており、まさにそれが、特にその大移動の理由となっている。