オランダ王立海洋研究所の生物学者であるリンダ・アマラル-ゼットラー氏は、こうした現象に「プラストスフィア(プラスチック圏)」と名付けた。プラスチックは地球のあらゆる所に存在するが、しかし、場合によってはプラスチック群が生態系を形成し、海洋の特別な生息環境となっている。
使用済のプラスチック製品の大部分は埋立地に運ばれるが、しかし約3分の1は海に流出する。ほとんどの有機材とは異なり、プラスチックは非常に丈夫で、耐久性があることから、大海中に広がり、棲家として生物に繁殖の場を提供する。
プラストスフィアは生態系、特別な海洋の生息環境を形成する。こうした廃棄物群としてもっとも有名な例として太平洋ゴミベルトがあげられる。このゴミの塊の大きさはフランスの領土の2倍超となっている。
大海のプラスチックの大部分はペットボトルといえる。6月、カナダのダルハウジー大学薬理学部の女性研究者ロビン・ライト氏は、海水の中にペットボトルを分解、つまり「プラスチックを食する」ことができる2種類のバクテリアを発見した。