イタリアの気象予報士らは異常猛暑はアフリカから張り出している高気圧「リュツィフェル」の影響によるものと説明している。高気圧は大陸を北部に向かって移動しており、数日後にピークに達する。
コリエーレ・デラ・セラ通信の記者のルポルタージュによれば、イタリア最高気温が記録されたシチリア島のフロリディア市中心は8月11日の日中、人の往来が完全に途絶え、夜近くになって初めてまばらに人が姿を現した。記者が取材した81歳の地元の男性は夕方5時まで表に出られるような状態ではなく、暑さが多少なりとも和らいだ時刻になって、ようやく普段からよく行く中心部ベンチにたどり着いたと語っていた。
同記者が取材した他の男性はオレンジ、レモンと並んでシチリア名物の 食用カタツムリの飼育業に従事しているが、このままでは廃業となる日も近いと危惧感をあらわにしていた。「カタツムリは全滅でした。ほとんど煮えた状態にありました。ひょっとすると何匹かは地面に潜ることができたんじゃないかという淡い期待から、水はかけないようにしています。湿り気があると地表に這い出してしまい、お手上げになってしまう」と語っている。
コリエーレ・デラ・セラ通信の記者によれば、フロリディア市政府は住民に表に出ないだけでなく、ペットも外に出さないよう呼び掛けている。市長は記者からの取材にゴミの不法投棄場所に火の手があがることを最も懸念していると語った。森林火災の面積ではイタリアは現在、ギリシャについでEU諸国内ではワースト2を占めている。