タリバン指導者は、パンジシール州の当局が平和裏な権力譲渡を拒否したことから、数百人の戦闘員を同州に向かわせた。この理由について、タリバン政治局のムハンマド・ナイム広報官は現地テレビの取材に応じた中で次のように指摘した。
我々の目的、それは国土を統一することである。様々な体制があってはならない。しかし、一部の者たちはトラブルを望んでいる。仮にトラブルが相互理解の形で解決されないならば、最後の手段は戦争である。
タリバンは22日、パンジシール州で抵抗を続ける勢力に降伏の用意として4時間を提供した。抵抗を続ける勢力の指導者、アフマド・マスード氏は20年前に過激派組織「アルカイダ」の戦闘員らによって殺害されたアフマド・シャハ・マスード氏(反タリバン勢力「北部同盟」の指導者)の息子として広く知られている。
マスード氏は現地テレビの取材に応じた中で次のように 表明した。
パンジシールが降伏することはない……仮に彼らがパンジシールの制圧を目指すならば、我々は抵抗する用意がある。我々はソ連に抵抗を示した。同じくタリバンにも抵抗することはできる。
マスード氏によると、タリバンの指導者らはパンジシール州の抵抗勢力との交渉を拒否しているという。
タリバンは戦争終結のための対話を拒否した。我々はアフガニスタンでの戦争を終わらせたい。タリバンが仮に今後もそのような振る舞いを続けるのであれば、組織として長期的に存続することはないであろう。
一部の欧米メディアによると、マスード氏の元にはタジキスタン人の武装組織に加え、アフガニスタン全土からも反タリバンの軍人らが集結しているという。その中には特殊部隊の隊員等も含まれているとのこと。マスード氏はこの点について質問を受けると、報道内容を承認した。
タリバンは政府軍への攻勢を強め、アフガニスタン情勢は直近の数週間で急激に悪化した。
タリバンは首都に侵攻し、大統領府を制圧した。アフガニスタンのアシュラフ・ガニー大統領は「大量殺戮阻止」を目的に祖国を離れた。
タリバンの指導者は8月16日に戦争終結を宣言し、国家統治に関する形態を近く公表するとした。現時点でアフガニスタンでは全ての国境がタリバンの管理下に入っている。
外国人スタッフや外国使節団に協力していたアフガニスタン人は首都の空港から国外退避を進めている。この空港は、米軍及び北大西洋条約機構(NATO)の部隊が防衛している。
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