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北朝鮮、自国の存在をアピール:なぜいま新たなミサイル実験が必要なのか?
北朝鮮、自国の存在をアピール:なぜいま新たなミサイル実験が必要なのか?
Sputnik 日本
... 2021年9月14日, Sputnik 日本
2021-09-14T20:55+0900
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おそらく、核問題をめぐる新たな協議が行われているものと思われます。そしてかなり意外なことに、このプロセスにはロシアが積極的に参加しているようです。しかし、北朝鮮のミサイル実験の目的は、今回も変わらず、緊張を少し高めるというものです。北朝鮮の存在を思い出させ、そして北朝鮮が少なからぬ問題を引き起こす可能性があるということを忘れさせないようにするためです。北朝鮮は概して、最近は慎重な行動を取っていますが、依然、世界の注意を引こうとしています。弾道ミサイルではなく、巡航ミサイルの実験を行っているのもそのためです。なぜなら北朝鮮の自国のミサイル発射実験凍結にも、また国連安保理決議にも違反しないからです。また最近行われた軍事パレードでは、最新の兵器だけでなく、通常の軍部隊が登場しました。これは、米国の注意を引き、米国があまり乗り気でない協議の開催を促そうとするものです。北朝鮮は、主な同盟国である中国にとって許容できる範囲で、米国に対して適度な圧力をかける方法を模索しています。というのも、中国は、後に米国から厳しい報復措置を受けるような紛争には興味がないからです。このような北朝鮮の行動によって協議が再開される可能性はありますが、ハノイで行われたトランプ大統領と金正恩総書記との首脳会談が再び行われるようなことはないでしょう。いま、そのような方策を取ることは非常に困難です。そんなことをすれば、米大統領への不支持の声が高まり、「アジアの独裁者に対する融和策」に対して非難されることになるからです。わたしが思うに、北朝鮮の非核化のチャンスはすでに18年前に消失しています。しかし、米国はこれを認めることはできません。認めてしまえば、事実上、北朝鮮を核大国であることを承認することになるからです。一般の米国市民は、米国にはもはや北朝鮮を完全に非核化させる力がないということを受け入れることができません。ですから、北朝鮮の核兵器に対する制限や監視を行う形での問題の解決というのは、議会でも、メディアでも支持を得られずにいます。ですから、北朝鮮がおとなしくしている限り、米国はこの問題の存在を忘れるようにしているのです。こうしたすべての問題を長年担当している機関の人々は、状況をよく理解していますが、彼らは必要な決定を下すことはできません。このようなレベルの決定は、大使やその他の専門家の推奨ではなく、4年か8年に1度入れ替わる5人から10人の米国政府指導部の考えに基づいて下されるからです。彼らは北朝鮮の核問題にそれほど詳しくありません。彼らにとって重要なことは再選されることだけなのです。定期的な人事異動と民主主義の特徴としてそれぞれの担当期間が短いことから、米国政府は、戦略的に重要な問題についてのみ、限られた人数で、複雑で多くの段階を踏んだ決定の方法を取っています。しかし北朝鮮問題はそれに含まれていません。ですから、わたしは、朝鮮半島情勢は、長期的安定という興味深い段階に入ろうとしているように思っています。このような状況は今後もかなり長い間、続く可能性があります。半世紀は誰にもなんの被害もないでしょう。ただし、長期的な問題は蓄積していき、いつかはその威力を見せつけるのではないかと思います。関連ニュース
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北朝鮮、自国の存在をアピール:なぜいま新たなミサイル実験が必要なのか?
2021年9月14日, 20:55 (更新: 2021年9月14日, 20:56) 北朝鮮が新型長距離巡航ミサイルの実験を行った。朝鮮中央通信(KCNA)が伝えるところによれば、ミサイルは1,500キロ先の標的に命中した。「スプートニク」は朝鮮問題の専門家である韓国国民大学校のアンドレイ・ラニコフ教授に取材し、今回のミサイル実験が何を意味するのか、またこれがアジア太平洋地域と世界全体にどのような影響を与えるのかについてお話を訊いた。
おそらく、核問題をめぐる新たな協議が行われているものと思われます。そしてかなり意外なことに、このプロセスにはロシアが積極的に参加しているようです。しかし、
北朝鮮のミサイル実験の目的は、今回も変わらず、緊張を少し高めるというものです。北朝鮮の存在を思い出させ、そして北朝鮮が少なからぬ問題を引き起こす可能性があるということを忘れさせないようにするためです。
北朝鮮は概して、最近は慎重な行動を取っていますが、依然、世界の注意を引こうとしています。弾道ミサイルではなく、巡航ミサイルの実験を行っているのもそのためです。なぜなら北朝鮮の自国のミサイル発射実験凍結にも、また国連安保理決議にも違反しないからです。また最近行われた軍事パレードでは、最新の兵器だけでなく、通常の軍部隊が登場しました。これは、米国の注意を引き、米国があまり乗り気でない協議の開催を促そうとするものです。
北朝鮮は、主な同盟国である中国にとって許容できる範囲で、米国に対して適度な圧力をかける方法を模索しています。というのも、中国は、後に米国から厳しい報復措置を受けるような紛争には興味がないからです。このような北朝鮮の行動によって協議が再開される可能性はありますが、ハノイで行われたトランプ大統領と金正恩総書記との首脳会談が再び行われるようなことはないでしょう。いま、そのような方策を取ることは非常に困難です。そんなことをすれば、米大統領への不支持の声が高まり、「アジアの独裁者に対する融和策」に対して非難されることになるからです。
わたしが思うに、北朝鮮の非核化のチャンスはすでに18年前に消失しています。しかし、米国はこれを認めることはできません。認めてしまえば、事実上、北朝鮮を核大国であることを承認することになるからです。一般の米国市民は、米国にはもはや北朝鮮を完全に非核化させる力がないということを受け入れることができません。ですから、北朝鮮の核兵器に対する制限や監視を行う形での問題の解決というのは、議会でも、メディアでも支持を得られずにいます。ですから、北朝鮮がおとなしくしている限り、米国はこの問題の存在を忘れるようにしているのです。
こうしたすべての問題を長年担当している機関の人々は、状況をよく理解していますが、彼らは必要な決定を下すことはできません。このようなレベルの決定は、大使やその他の専門家の推奨ではなく、4年か8年に1度入れ替わる5人から10人の米国政府指導部の考えに基づいて下されるからです。彼らは北朝鮮の核問題にそれほど詳しくありません。彼らにとって重要なことは再選されることだけなのです。定期的な人事異動と民主主義の特徴としてそれぞれの担当期間が短いことから、米国政府は、戦略的に重要な問題についてのみ、限られた人数で、複雑で多くの段階を踏んだ決定の方法を取っています。しかし北朝鮮問題はそれに含まれていません。
ですから、わたしは、朝鮮半島情勢は、長期的安定という興味深い段階に入ろうとしているように思っています。このような状況は今後もかなり長い間、続く可能性があります。半世紀は誰にもなんの被害もないでしょう。ただし、長期的な問題は蓄積していき、いつかはその威力を見せつけるのではないかと思います。