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伝統か慈悲の心か?韓国大統領が初めて犬肉食禁止を検討
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... 2021年9月29日, Sputnik 日本
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大統領は愛犬家韓国で、犬肉の消費を禁止する法が導入される可能性がある。9月27日、文在寅大統領は、捨てられたペットの保護制度の改善計画について金富謙(キム・ブギョク)首相から報告を受けた際、これについて発言した。聯合ニュースが伝えるところによれば、大統領は「犬肉の消費禁止を慎重に検討する時期がきたのではないだろうか」と首相に問いかけたという。この大統領の理性ある発言は、これまで犬肉消費の完全な禁止について一度も言及してこなかった韓国国内で大きなセンセーションを呼び起こしている。2018年、犬食禁止を訴える嘆願書を受け取った文大統領は、これは犬肉を提供する料理店にとっての死活問題であるとして、犬肉食を犯罪化する必要はないとの立場を明らかにしていた。しかし、大統領としての任期満了まで残り1年となった文大統領は、ここにきて自らの考えを翻したようだ。文在寅大統領は動物好きで知られる。大統領に就任した後に保護した雑種犬を含め、ネコなどのペットを飼っている。しかし、今回、公式的な立場を変更した理由は、自身も出馬を予定している2022年3月の大統領選を意識したものであるとも指摘されている。韓国人の意見は?近年、動物をペットとして家で飼う人が増加していることを背景に、韓国では、犬肉を食べないという人が増えつつある。犬肉消費に対する批判は、韓国で犬を飼う人が増えるのと比例して強まっている。現在、韓国人のおよそ27%がペットを飼っており、そのほとんどが犬だという。韓国の農林水産省の統計によれば、2010年には17%だった。2020年9月に、動物愛護団体「アウェア」の依頼により実施された世論調査では、78%の回答者が犬猫の肉の加工および販売は禁止されるべきだと答え、49%が消費の禁止を支持すると答えた。また世論調査会社リアルメーターが実施した世論調査では、犬肉食について41%が個人の自由であると答え、59%が法的に犬肉消費を禁止すべきだと答えており、この問題をめぐっては世論が一つでないことが明らかになった。一方、韓国では毎年、犬肉食禁止を訴える抗議行動が行われている。新型コロナウイルスの感染拡大により、2019年以降は中断されているが、毎年、伝統的にポシンタンと呼ばれる犬肉のスープを食べる1年でもっとも暑い7月の時期に抗議行動は行われている。抗議行動の参加者らは、食用犬の繁殖そのものに反対しているのはもちろん、その処理方法についても抗議している。活動家らは、現在は韓国では電気ショックを使って食用犬を処理しているが、その他のアジア諸国では、撲殺されたり、吊るされたり、生きたまま熱湯で処理されるなど、より残酷な方法が用いられているとしている。禁止ではなく、カムフラージュ犬肉の消費の禁止に関する問題に関しては、オリンピック開催を前に、国家レベルで言及されていた。最初は1988年のソウル五輪の前で、政府は料理店に対し、外国人を驚かせるとして、犬肉料理をメニューから外すよう要請した。そして2018年の平昌五輪の開催前にも同様の状況が繰り返された。大統領選を前にした選挙活動では、多くの候補者らが犬肉食について意見を述べているが、そこに一貫した見解はない。人口密度の高い京畿道の知事で、文在寅大統領を擁立する「共に民主党」の主要な立候補者である李在明(イ・ジェミョン)氏は、世論の同意に基づき、犬肉食を禁止するとの公約を掲げているが、一方の保守系野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長は、犬肉を食べるかどうかは、韓国人一人一人の個人の選択であるとの考えを明らかにしている。グレーゾーン犬肉は韓国人の平均的な日常の食習慣には含まれていないが、依然、高齢層の間では健康によいものとの意識があり、一般的な食材となっている。また犬肉は伝統的な料理店で供されており、また専用の市場でも購入できる。状況が複雑なのは、法のレベルでは、犬肉の加工と販売が「グレーゾーン」にあるためである。1962年に発効した法では、犬は家畜には含まれていないことから、食用犬の繁殖については規定されていない。1991年に動物の処遇に関する法が採択されたが、この法ではとりわけ「動物をみだりに虐待したり、殺傷すること」を禁じている。しかし、この条項は内容があいまいだとして激しい批判を受け、結局、食用犬の繁殖場では、この禁止条項は遵守されないままとなっている。韓国の国会では、定期的に、この法をより明確なものにするべきだとの声が上がっているが、未だ実現には至っていない。
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伝統か慈悲の心か?韓国大統領が初めて犬肉食禁止を検討
2021年9月29日, 17:04 (更新: 2022年5月30日, 19:40) 9月27日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、犬肉食禁止の考えに言及した。韓国の大統領が、犬肉を食べるという、賛否ある伝統の禁止を支持する立場を示すのはこれが初めて。韓国ではいまも高齢層の間では犬肉は伝統的に食されている。韓国の人々は今回の大統領の提案をどのように受け止めているのか、そしてなぜこのような動きが韓国社会に突然現れたのか、「スプートニク」が取材した。
韓国で、犬肉の消費を禁止する法が導入される可能性がある。9月27日、文在寅大統領は、捨てられたペットの保護制度の改善計画について金富謙(キム・ブギョク)
首相から報告を受けた際、これについて発言した。
聯合ニュースが伝えるところによれば、大統領は「犬肉の消費禁止を慎重に検討する時期がきたのではないだろうか」と首相に問いかけたという。
この大統領の理性ある発言は、これまで犬肉消費の完全な禁止について一度も言及してこなかった韓国国内で大きなセンセーションを呼び起こしている。
2018年、犬食禁止を訴える嘆願書を受け取った文大統領は、これは犬肉を提供する料理店にとっての死活問題であるとして、犬肉食を犯罪化する必要はないとの立場を明らかにしていた。しかし、大統領としての任期満了まで残り1年となった文大統領は、ここにきて自らの考えを翻したようだ。
文在寅大統領は動物好きで知られる。大統領に就任した後に保護した雑種犬を含め、ネコなどのペットを飼っている。しかし、今回、公式的な立場を変更した理由は、自身も出馬を予定している2022年3月の大統領選を意識したものであるとも指摘されている。
近年、動物をペットとして家で飼う人が増加していることを背景に、韓国では、犬肉を食べないという人が増えつつある。犬肉消費に対する批判は、韓国で犬を飼う人が増えるのと比例して強まっている。現在、韓国人のおよそ27%がペットを飼っており、そのほとんどが犬だという。
韓国の農林水産省の統計によれば、2010年には17%だった。
2020年9月に、
動物愛護団体「アウェア」の依頼により実施された世論調査では、78%の回答者が犬猫の肉の加工および販売は禁止されるべきだと答え、49%が消費の禁止を支持すると答えた。また世論調査会社リアルメーターが実施した世論調査では、犬肉食について41%が個人の自由であると答え、59%が法的に犬肉消費を禁止すべきだと答えており、この問題をめぐっては世論が一つでないことが明らかになった。
一方、韓国では毎年、犬肉食禁止を訴える抗議行動が行われている。
新型コロナウイルスの感染拡大により、2019年以降は中断されているが、毎年、伝統的にポシンタンと呼ばれる犬肉のスープを食べる1年でもっとも暑い7月の時期に抗議行動は行われている。
抗議行動の参加者らは、食用犬の繁殖そのものに反対しているのはもちろん、その処理方法についても抗議している。活動家らは、現在は韓国では電気ショックを使って食用犬を処理しているが、その他のアジア諸国では、撲殺されたり、吊るされたり、生きたまま熱湯で処理されるなど、より残酷な方法が用いられているとしている。
犬肉の消費の禁止に関する問題に関しては、オリンピック開催を前に、国家レベルで言及されていた。最初は1988年のソウル五輪の前で、政府は料理店に対し、外国人を驚かせるとして、犬肉料理をメニューから外すよう要請した。そして2018年の平昌五輪の開催前にも同様の状況が繰り返された。
大統領選を前にした選挙活動では、多くの候補者らが犬肉食について意見を述べているが、そこに一貫した見解はない。
人口密度の高い京畿道の知事で、文在寅大統領を擁立する「共に民主党」の主要な立候補者である李在明(イ・ジェミョン)氏は、世論の同意に基づき、犬肉食を禁止するとの公約を掲げているが、一方の保守系野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長は、犬肉を食べるかどうかは、韓国人一人一人の個人の選択であるとの考えを明らかにしている。
犬肉は韓国人の平均的な日常の食習慣には含まれていないが、依然、高齢層の間では健康によいものとの意識があり、一般的な食材となっている。また犬肉は伝統的な料理店で供されており、また専用の市場でも購入できる。状況が複雑なのは、法のレベルでは、犬肉の加工と販売が「グレーゾーン」にあるためである。
1962年に発効した法では、犬は家畜には含まれていないことから、食用犬の繁殖については規定されていない。
1991年に動物の処遇に関する法が採択されたが、この法ではとりわけ「動物をみだりに虐待したり、殺傷すること」を禁じている。しかし、この条項は内容があいまいだとして激しい批判を受け、結局、食用犬の繁殖場では、この禁止条項は遵守されないままとなっている。
韓国の国会では、定期的に、この法をより明確なものにするべきだとの声が上がっているが、未だ実現には至っていない。