ロシア軍と中国軍の艦艇は日本の沖合で何をしていたのか?

© Sputnik / Vitaliy Ankov大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
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ロシアと中国の海軍艦隊が戦略的に重要な津軽海峡と大隅海峡を初めて合同で通過し、日本列島をほぼ半周した。その後、ロシア艦艇は対馬海峡を通ってウラジオストクへと進路をとった。両国海軍のこの異常な動きをどう理解すべきなのだろうか。
この急襲は海軍合同演習「海上連携2021」の修了後に行われたものである。演習の第1段階では、ロシア太平洋艦隊の掃海艇が両国の艦艇を日本海の訓練海域まで掃海先導した。第2段階では、艦艇群が展開され、それらが戦術合同訓練を行った。その後、参加艦艇は掃海訓練、仮想敵の潜水艦を探知・ブロックする訓練、射撃訓練などを実施した。
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ロシア側の参加艦艇は、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、コルベット2隻、基地掃海艇2隻、877型潜水艦、ロケット艇、救助用タグボートであり、中国側は、052型駆逐艦2隻、コルベット2隻、ディーゼル潜水艦1隻、補給艦、救助艇である。艦艇のほか、ロシア太平洋艦隊海軍航空隊と人民解放軍海軍の航空機およびヘリコプター12機が演習に参加した。その後、10月17日から23日にかけて、水上艦艇群(ロケット艇とタグボートは除く)に大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」とミサイル追跡艦「マーシャル・クリロフ」が加わり、ヘリコプター6機とあわせて、西太平洋で1,700海里以上にわたる共同パトロールを実施した。
まさにこの段階で、ロシア太平洋艦隊の艦船が、ウラジオストクの基地から太平洋に至る最短ルートである戦略的海峡を通過したのである。
岸信夫防衛大臣は火曜日の記者会見で、このように大規模かつ長期間にわたる行動は初めてだと語った。日本の茂木敏充外務大臣は、中露艦艇による同時航行について、日本政府は外交ルートを通じてモスクワと北京に懸念を表明したと述べた。
発表されたパトロールの任務は、ロシアと中国の国旗掲揚、アジア太平洋地域の平和と安定の維持、両国の経済活動の対象や輸送回廊の警護である。
しかし、日本近海の外にも目を向けるべきだ。例えば、中露の合同演習「ザーパド・連携2021」が初めて中国国内で実施された。また、合同演習「平和ミッション2021」では、人民解放軍の陸軍部隊がオレンブルク地方(南ウラル)の訓練実施地域に初めて鉄道で移動した。
一昨年には、ロシアと中国が日本海上空で初めて共同で戦略パトロールを実施した。ミサイル防衛の共同演習はすでに珍しいものではなくなっており、2018年にはプーチン大統領が、ロシアは中国の早期警戒システム開発を支援していると発言した。これらはすべて、中露が軍事分野で関係を深めている大きな流れの一コマである。
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しかし、西側諸国がインド太平洋で行っていることに比べれば、かなり控えめな印象を受ける。ロシア大統領府のウェブサイトに掲載されたCNBCのインタビューの中で、プーチン大統領は次のように述べている。「あなたの言った米英豪のブロック(AUKUS)を含め、何らかのブロックを作ることは、当然、地域の安定性を損ないます。なぜなら、お互いに仲良くすることは良いことですが、誰かに対抗するために仲良くすることは悪いことだと思うからです。これは、私たちが常々言及し、気にかけている安定性を損なうものです。」
一方、イギリスの空母「クイーン・エリザベス」とその随伴艦は、10月初旬にシンガポール軍と、戦闘機F-35BとF-16による模擬戦闘行動を含む演習を実施した。アメリカは、最新の遠征海上基地「ミゲル・キース」を日本の沖縄沖に配備し、アジア太平洋地域におけるアメリカの軍事力を大幅に強化した。
日米豪印戦略対話(QUAD)のメンバーであるアメリカ、日本、オーストラリア、インドは、毎年実施している合同訓練マラバールの第2フェーズを10月11日〜14日に実施した。第1フェーズは8月に実施した。
インド洋のベンガル湾で行われた訓練には、日本のヘリコプター搭載護衛艦「かが」と護衛艦「むらさめ」、インドのミサイル駆逐艦「ランヴィジャイ」とフリゲート「サツプラ」、オーストラリアのフリゲート「バララット」と補給艦「シリウス」、そして米海軍の空母「カール・ビンソン」を中心とする空母打撃群が参加した。
アメリカは、最新の遠征海上基地「ミゲル・キース」を日本の沖縄沖に配備し、アジア太平洋地域における米国の軍事力を大幅に強化した。そうでなくても、日本には世界最大の4万7000人の米軍兵士が駐留している。
どうやら、これらの行動に対応する必要性が、ロシアでも中国でも明確になったようだ。しかし、この場合、中露艦艇による日本沖でのデモンストレーション・パトロールは、AUKUSとQUADの枠内でこうした活動を提唱した張本人、すなわちアメリカに向けられたものということになる。日本は渦中にありながら、明らかに傍観者の役回りだ。
中国のマスコミはこの共同パトロールを中露の軍事協力の大きな変化の始まりと見なした。複数の専門家が、次のステップはインド太平洋海域での定期的なパトロールの実施であり、最終目的は同海域で空と海の共同覇権を確立することだと考えている。もちろん、これは大胆な予測ではあるが、この地域の軍事的緊張が高まることは目に見えている。
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