オランダ 「自殺用の粉末 」販売の自殺権利擁護家の公判開始

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オランダで「自殺用の粉末」を「物質X」と称してネット販売していた被告の裁判が開始された。被告は自由な自殺を行う権利を擁護しており、被告の販売した粉末により今までに33人が死亡している。ロイター通信とオランダ放送協会が報じた。
捜査当局によると、7月に逮捕されたアレックス・S(28)は、約700人の顧客に致死性物質を販売し、約5万5000ユーロの収益を上げていた疑いがある。州検察は、アレックス・Sから「自殺用の粉末」を購入したうち、少なくとも15人の死亡を証明している。捜査当局はさらに18人の死亡もこの粉末によるものとして、捜査を進めている。
被告は、自殺用の粉末を処方箋でしか購入できない吐き気止めとセットにして販売していた。被告は医薬品の違法販売、自殺ほう助、犯罪収益のマネーロンダリングなどの容疑で起訴された。
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アレックス・Sは「物質X」を2018年から販売しており、販売経路にSNSのTelegramは暗号化されたメールサービスのProtonMailを利用していた。粉末の値段をアレックス・Sは当初1袋20ユーロに設定していたものの、後日30ユーロに値上げしている。アレックス・Sは購入希望者の全員に粉末を販売していたが、その際に相手に質問を投げかけることは一切せず、ここ数年の実績としてこの粉末によって「自殺に失敗した例は一例もない」と保証していた。
オランダは末期患者に対する安楽死や自殺幇助を合法化しているものの、その実施にあたっては厳格な条件下で医師の監督が必要とされている。民間による自殺幇助は犯罪行為として3年以下の禁固刑に処せられる。
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