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ワリエワの凱旋 3つの世界記録 他の追従を断ち切る
ワリエワの凱旋 3つの世界記録 他の追従を断ち切る
Sputnik 日本
グランプリ(GP)シリーズの最終戦である第6戦ロステルコム杯がロシアのソチで終了した。これにより12月に大阪で開催のGPファイナルに出場する女子が決まった。しかし、今回の第6戦はどんでん返しはなかった。カミラ・ワリエワ(15)が出るところにはライバルらにはチャンスは残されていないからだ。 2021年11月28日, Sputnik 日本
2021-11-28T22:40+0900
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確かにここ数年のフィギュアスケートの状況展開はめまぐるしいため、どんな展開やサプライズが起こってもおかしくはない。しかもワリエワはプログラムの技術的要素でも総合成績でも他のスケーターを大きく引き離していることから、五輪争いは余裕で主導できると言うことはできる。GPシリーズ総合成績で2位のアンナ・シェルバコワ選手は229.69。3位は229.23点のエリザベータ・トゥクタミシェワだが、ワリエワは272.71点だ。ワリエワのもう一人の大型ライバル、アレクサンドラ・トルソワはGP第1戦のスケートアメリカには出場できたものの、その後は怪我のために棄権している。トルソワは第1戦では232.37点の高得点をたたき出したが、これだけの好成績をもってしてもワリエワを40点以上を下回った。ライバルに勝利のチャンスは残さない「2022年北京オリンピックでカミラ・ワリエワを打破できる者など出てくるだろうか?」国際オリンピック委員会(IOC)はツイッターでワリエワの成績についてこうコメントした。仮にそうなればこの問いは修辞的なものと言えるが、もちろん、そんなことはない。確かに他の15歳のライバルたちがオリンピックまでにプログラムを複雑化させる可能性もないとはいえない。だが、ワリエワにしてもその完璧に近いスケーティングに一層磨きをかけないとも言えないのだ。ショートプログラム(SP)ではワリエワは、ロシアのアリョーナ・コストルナヤの世界記録(2019年のGPファイナルの85.45点)を打破し、87.42点を樹立した。ワリエワはキリル・リクターの「イン・メモリアム」の感動的な音楽に乗って、トリプルアクセル、トリプルフリップ、そしてトリプルルッツとトリプルトゥループの連続ジャンプを余裕で跳んで見せた。またラヴェルの『ボレロ』を使ったフリースケーティング(FS)では、初めに4回転サルコウ、トリプルアクセル、4回転トゥループからトリプルトゥループへの連続ジャンプをノーミスでクリーンに跳んだ後、後半にはさらに4トゥループを披露した。男子と競ったら3位演技終了後、記者団からはジャンプに関してワリエワに「男子と競争したいと思う?」という問いがぶつけられた。同じ問いは以前、トリプル・ジャンプを得意とするトルソワにも向けられている。ワリエワはトルソワとは違い、きっぱりと「いいえ」と断った。ワリエワは男子と女子では身体的に異なることを理由にしたが、今回のロステルコム杯でワリエワが他の女子にあれだけの開きをつけたことを考えると、男子との競合もそれほど悪い考えではないかもしれない。男子と争ったら、ワリエワは3位に入っただろう…まぁ、冗談はさておき、明白で平凡な帰結に戻ると私たちには「進歩は止められない」。年齢制限についての議論や、年配のスケーターに対する不公平感、女子選手のあまりに早いリーダー交代などは必然性を前に繰り返される空虚な言葉に過ぎない。ロシア人審査員でソ連フィギュア・チャンピオン2冠(1963年、1965年)のアレクサンドル・ヴェデニン氏(74)はスプートニクからの取材に次のように語った。「現在、年齢引き上げが盛んに提案されていますが、それには明確な理由がない。フィギュアスケートは毎年、レベルアップしている。それは15歳以下の少女たちのおかげですよ。なのになぜ彼女たちが参加してはいけないんですか? 例えば、ワリエワのようなスケーターは(年齢制限が引き上げられれば)オリンピックに出られなくなります。そう言っているうちにも、もう一人の才能あるスケーターが登場しますよ。すでにいるんです。同じくエテリ・トゥトベリーゼ氏のチームにね。ソフィア・アカチエワ。14歳で、やはり信じがたいほどすごいスケーターです」カミラ・ワリエワは新たな浅田真央なのか?またヴェデニン氏は、2010年のオリンピック銀メダリストの日本の浅田真央とワリエワを比較した。「私の絶対的なお気に入りで、まさに天上の存在は浅田真央です。浅田に並ぶ者はいない。でも、ひょっとするとワリエワなら並ぶことができるかもしれない。私は、浅田真央はここ40~50年のフィギュアスケートの歴史の中で一番不当な扱いを受けていると思います。2005年のGPファイナルでは浅田は全員を蹴散らした。誰もその隣に立つことはできませんでした。ところが彼女は15歳になっていないかった。それが理由でオリンピックには行かせてもらえなかった。浅田はあの時、誰よりも抜きんでいただけではない。誰にも手の届かない存在だったのに。浅田はオリンピックのメダルを取り上げられてしまったんです」もちろん、トゥトベリーゼ・チームのアリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トルソワのトリオが激しいライバル争いを展開し、勝者の予想がたたないというドキドキ感はない。だが、ワリエワのような驚異的なパフォーマンスのおかげで、フィギュアスケートへの関心は衰えることはない。そして今、最大の関心事はジュニアのどの選手が、どのくらい早くワリエワの記録を打破できるかということだ。ワリエワは故郷のカザンで3歳半からフィギュアスケートを開始。6年間で3人のコーチを変え、エテリ・トゥトベリーゼ氏には2008年夏から師事。国際スケート連盟(ICU)主催の大会で4回転トウループを成功させたのは、トルソワに次いでワリエワが史上2人目。
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ワリエワの凱旋 3つの世界記録 他の追従を断ち切る
2021年11月28日, 22:40 (更新: 2021年12月2日, 20:27) グランプリ(GP)シリーズの最終戦である第6戦ロステルコム杯がロシアのソチで終了した。これにより12月に大阪で開催のGPファイナルに出場する女子が決まった。しかし、今回の第6戦はどんでん返しはなかった。カミラ・ワリエワ(15)が出るところにはライバルらにはチャンスは残されていないからだ。
確かにここ数年のフィギュアスケートの状況展開はめまぐるしいため、どんな展開やサプライズが起こってもおかしくはない。しかもワリエワはプログラムの技術的要素でも総合成績でも他のスケーターを大きく引き離していることから、五輪争いは余裕で主導できると言うことはできる。GPシリーズ総合成績で2位のアンナ・シェルバコワ選手は229.69。3位は229.23点の
エリザベータ・トゥクタミシェワだが、
ワリエワは272.71点だ。
ワリエワのもう一人の大型ライバル、アレクサンドラ・トルソワはGP第1戦のスケートアメリカには出場できたものの、その後は怪我のために棄権している。トルソワは第1戦では232.37点の高得点をたたき出したが、これだけの好成績をもってしてもワリエワを40点以上を下回った。
「2022年北京オリンピックでカミラ・ワリエワを打破できる者など出てくるだろうか?」
国際オリンピック委員会(IOC)はツイッターでワリエワの成績についてこうコメントした。
仮にそうなればこの問いは修辞的なものと言えるが、もちろん、そんなことはない。
確かに他の15歳のライバルたちがオリンピックまでにプログラムを複雑化させる可能性もないとはいえない。だが、ワリエワにしてもその完璧に近いスケーティングに一層磨きをかけないとも言えないのだ。
ショートプログラム(SP)ではワリエワは、ロシアのアリョーナ・コストルナヤの世界記録(2019年のGPファイナルの85.45点)を打破し、87.42点を樹立した。ワリエワはキリル・リクターの「イン・メモリアム」の感動的な音楽に乗って、トリプルアクセル、トリプルフリップ、そしてトリプルルッツとトリプルトゥループの連続ジャンプを余裕で跳んで見せた。
またラヴェルの『ボレロ』を使った
フリースケーティング(FS)では、初めに4回転サルコウ、トリプルアクセル、4回転トゥループからトリプルトゥループへの連続ジャンプをノーミスでクリーンに跳んだ後、後半にはさらに4トゥループを披露した。
演技終了後、記者団からはジャンプに関してワリエワに「男子と競争したいと思う?」という問いがぶつけられた。同じ問いは以前、トリプル・ジャンプを得意とするトルソワにも向けられている。ワリエワはトルソワとは違い、きっぱりと「いいえ」と断った。ワリエワは男子と女子では身体的に異なることを理由にしたが、今回のロステルコム杯でワリエワが他の女子にあれだけの開きをつけたことを考えると、男子との競合もそれほど悪い考えではないかもしれない。男子と争ったら、ワリエワは3位に入っただろう…
まぁ、冗談はさておき、明白で平凡な帰結に戻ると私たちには「進歩は止められない」。年齢制限についての議論や、年配のスケーターに対する不公平感、女子選手のあまりに早いリーダー交代などは必然性を前に繰り返される空虚な言葉に過ぎない。
ロシア人審査員でソ連フィギュア・チャンピオン2冠(1963年、1965年)のアレクサンドル・ヴェデニン氏(74)はスプートニクからの取材に次のように語った。
「現在、年齢引き上げが盛んに提案されていますが、それには明確な理由がない。フィギュアスケートは毎年、レベルアップしている。それは15歳以下の少女たちのおかげですよ。なのになぜ彼女たちが参加してはいけないんですか? 例えば、ワリエワのようなスケーターは(年齢制限が引き上げられれば)オリンピックに出られなくなります。そう言っているうちにも、もう一人の才能あるスケーターが登場しますよ。すでにいるんです。同じくエテリ・トゥトベリーゼ氏のチームにね。ソフィア・アカチエワ。14歳で、やはり信じがたいほどすごいスケーターです」
またヴェデニン氏は、2010年のオリンピック銀メダリストの日本の浅田真央とワリエワを比較した。
「私の絶対的なお気に入りで、まさに天上の存在は浅田真央です。浅田に並ぶ者はいない。でも、ひょっとするとワリエワなら並ぶことができるかもしれない。私は、浅田真央はここ40~50年のフィギュアスケートの歴史の中で一番不当な扱いを受けていると思います。2005年のGPファイナルでは浅田は全員を蹴散らした。誰もその隣に立つことはできませんでした。ところが彼女は15歳になっていないかった。それが理由でオリンピックには行かせてもらえなかった。浅田はあの時、誰よりも抜きんでいただけではない。誰にも手の届かない存在だったのに。浅田はオリンピックのメダルを取り上げられてしまったんです」
もちろん、トゥトベリーゼ・チームのアリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トルソワのトリオが激しいライバル争いを展開し、勝者の予想がたたないというドキドキ感はない。だが、ワリエワのような驚異的なパフォーマンスのおかげで、フィギュアスケートへの関心は衰えることはない。そして今、最大の関心事はジュニアのどの選手が、どのくらい早くワリエワの記録を打破できるかということだ。
ワリエワは故郷のカザンで3歳半からフィギュアスケートを開始。6年間で3人のコーチを変え、エテリ・トゥトベリーゼ氏には2008年夏から師事。国際スケート連盟(ICU)主催の大会で4回転トウループを成功させたのは、トルソワに次いでワリエワが史上2人目。