白樺と柳を使ったロシアの生け花 寒い国で日本の芸術をいかに表現
2021年12月27日, 18:00 (更新: 2022年4月27日, 22:54)
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素材への厳格で実際に即したアプローチ。これがロシアの生け花を明確に特徴づけている。「生け花」という芸術はとうの昔に日本の境界を越え、ロシアをはじめ、様々な国で高い人気を獲得した。ロシアの生け花の匠のウラーナ・クーラールさんが「スプートニク」のインタビューに応じ、ロシアで生け花がどのように発展しているか、ロシアの名匠らには日本の先生をあっと言わせるものがあるかについて語ってくれた。
モスクワでの展覧会「家庭の幸福」の一環で、草月流生け花の匠として知られるウラーナ・クーラールさんのユニークなオリジナル作品エクスカーションが催された。この企画でクウラルさんは教え子たちとともに見学客を前に美しい新年用の生け花のデモンストレーションを行った。
ロシアで生け花文化はどのように育っていますか？
「モスクワには今、草月流、池坊ともにそれはそれは素晴らしい、極めてレベルの高い名匠がたくさんおられます。これが可能となったのは、いけばな草月流を創始された勅使河原蒼風（てしがはら そうふう）氏が1970年代にはすでにモスクワにいらして、いろいろなミュージアムで腕前を披露されておられたからです。以来、ロシア人、日本人の匠の間では多くの経験が交換されてきました。
ロシアの生け花のレベルは非常に高い。ヨーロッパも大きな腕前で際立っていますよ。特にベルギーですね。世界に名の知られた匠がいます。ロシアもそのレベルまで到達せねばなりません。でも私としてはロシアの匠の展覧会を催せば、それと全く同列に並ぶことができると思います。ただし、ロシアの場合、自然を捉えるビジョンが少し異なっていて、より気前がいい。ロシアはあけっぴろげの心をもった、実に気前の良い国です。ですからロシアの生け花もまた実に感情豊かで、色鮮やかなのです」
ロシア流生け花で日本の人を驚かすことができるでしょうか？
「それはもちろんです！ 日本からいらして、マスタークラスをされる先生方は私たちの生け花をごらんになって、素材を捉える目が正確だとおっしゃられましたよ。ということは、私たちは自然に非常に近いということです。ロシア人の多くがダーチャ（郊外のセカンドハウス）を持っていますでしょう。そして自然の中で過ごす時間を愛しています。私たちは自然の素材に対してとても鋭敏な感覚を持っているといわれます。使えるものはエキゾチックな植物だけではありませんよ。私たちの、ロシアの白樺、ハナウド、柳など、そこらへんに生えているものだって使います。遠くに行く必要もないのです。
ロシアの季節の移り変わりは非常にメリハリがあります。これは日本と全く同じですが、加えてここの冬は本当に長い。このために素材を見る目がより厳しくなるのです。気候、天候はこれに大きく影響します。冬はロシアでは半年続く。このため乾いた素材に頼ることは稀ではありません。草月流はどんな性格の素材でも使ってよいことになっていますからね。生花でなければならないというしばりはない。ドライフラワーでもよい。他に紙、布、プラスチック、ガラス、金属など、どんな素材を使っても構いません。ロシアのアプローチはより実際に即しているのです」
日本でロシアの生け花展をされたいと思われますか？
「出来たら素晴らしいですね！ 実現を目指して頑張らなければ。できると思いますよ。夢を抱く、それに邁進する。そうすれば必ず叶います。」
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ロシアの著名な東洋学者タチアナ・ナウモワ氏主催の「家庭の幸福」展がモスクワ第1東洋画廊で開催された。
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モスクワ第1東洋画廊で開催された「家庭の幸福」展
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