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北朝鮮:新たなミサイル発射は、アジア太平洋地域や米国への新たな脅威なのか?
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... 2022年1月15日, Sputnik 日本
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『祖国の武器庫』誌の軍事専門家アレクセイ・レオンコフ氏は、北朝鮮が極超音速ミサイルを開発したという情報の信憑性には大きな疑念を抱いていると語る。北朝鮮は、独自のミサイル産業の確立に成功し、同産業の専門家が自国のウランで熱核爆弾を製造できるようになったことで、核の盾の強化と弾道ミサイルの発射を続けている。しかし、レオンコフ氏によると、北朝鮮の極超音速ミサイルを発射したという発言は、明らかに希望的観測を述べたものである。それも、米国とその同盟国に対する脅しの意味しかないのかもしれない。というのも、北朝鮮の科学研究の閉鎖性と厳しい制裁を考えると、アメリカでさえまだ獲得していない(誘導極超音速技術のような)高度な技術を北朝鮮が開発することは明らかに不可能だからだ。弾道ミサイルであれば、極めて予測しやすい軌道で飛翔するため、レーダーで追跡し、推定される目標の位置を容易に割り出すことが可能である。つまり、弾道ミサイルは迎撃されやすい。一方、極超音速兵器は、(地表近くのごく低い高度でも、高い高度でも)予測不能な動きが可能で、はるかに短い時間で目標を攻撃できる。極超音速兵器は、音速をはるかに超える速度で飛行するため、追跡や迎撃が非常に困難だ。このほか、極超音速ミサイルが搭載しているのが、核弾頭なのか、通常弾頭なのかを判断することも不可能である。アレクセイ・レオンコフ氏は、それでも北朝鮮は自国の防衛のために心血を注ぎ続けていると言う。すなわち、米国は、北朝鮮の予測不能な行動と核ミサイル計画を口実にして西側諸国に脅しをかけることで、米国と同盟国の極超音速技術の共同開発を加速させ、間的猶予を稼ぐだろうとレオンコフ氏は考えている。しかも、アジアでは中国の役割が強まりつつある。中国はこの地域のメインプレーヤー、覇権国家になりつつあり、ロシアとの軍事協力が進めば、それは紛れもない事実になるだろう。そうなれば、アジア太平洋地域で米国が優位性を維持するのは極めて困難になるだろうとアレクセイ・レオンコフは強調する。これらの背景には、世界のリーダーシップをめぐって中国と米国の対立が深まっていることがある。このような背景から、中国外交部の王文彬報道官は、米韓をはじめとするすべての関係者に対し、北朝鮮のミサイル発射が頻発していることに性急な判断や過剰反応を控えるよう呼びかけた。関連ニュース
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北朝鮮:新たなミサイル発射は、アジア太平洋地域や米国への新たな脅威なのか?
2022年1月15日, 22:54 (更新: 2022年1月16日, 03:41) 北朝鮮は2022年に入って3度目となるミサイル発射を行った。発射したのは弾道ミサイルとみられる。一方、その数日前、北朝鮮当局は極超音速ミサイルの発射に成功したと発表していた。韓国の聯合ニュースは、軍の情報として、1月11日に北朝鮮が発射したミサイルは、実際にマッハ10(つまり音速の10倍)の速度に達し、1000キロメートル飛翔したと発表した。これが北朝鮮の近隣国にとってどれほどの危険をもたらすのか、北朝鮮の核ミサイル産業に極超音速での本格的なブレークスルーは可能なのか。スプートニクが取材した。
『祖国の武器庫』誌の軍事専門家アレクセイ・レオンコフ氏は、北朝鮮が
極超音速ミサイルを開発したという情報の信憑性には大きな疑念を抱いていると語る。
「誘導極超音速技術は最も先進的な軍事技術であり、すでに実験に成功している中国でさえも完全には獲得できていません。現在のところ、ロシアの極超音速技術が最も進んでおり、ひとつのミサイルから飛び出した単一のみならず、複数の極超音速物体(核弾頭)が機動可能です。分離後、お互いに衝突することなく(これは重要なことである)、個別に機動して、目標に命中します。予測不能な軌道を描くので、動いている目標がどの地点で攻撃を受けるのか予測できません。極超音速は、素材の点からも、数理モデルの点からも、超高度な技術です。というのも、極超音速の物体は、温度の影響も甚大なのです。米国もまだ、極超音速技術の開発に数十億ドルを投じ、この課題に取り組んでいる途中です。中国とインドは、極超音速の対艦ミサイルの開発に向けて努力を続けています。」
北朝鮮は、独自のミサイル産業の確立に成功し、同産業の専門家が自国のウランで熱核爆弾を製造できるようになったことで、核の盾の強化と弾道ミサイルの発射を続けている。
しかし、レオンコフ氏によると、北朝鮮の極超音速ミサイルを発射したという発言は、明らかに希望的観測を述べたものである。それも、米国とその同盟国に対する脅しの意味しかないのかもしれない。というのも、北朝鮮の科学研究の閉鎖性と厳しい制裁を考えると、アメリカでさえまだ獲得していない(誘導極超音速技術のような)高度な技術を北朝鮮が開発することは明らかに不可能だからだ。
弾道ミサイルであれば、極めて予測しやすい軌道で飛翔するため、レーダーで追跡し、推定される目標の位置を容易に割り出すことが可能である。つまり、弾道ミサイルは迎撃されやすい。一方、極超音速兵器は、(地表近くのごく低い高度でも、高い高度でも)予測不能な動きが可能で、はるかに短い時間で目標を攻撃できる。極超音速兵器は、音速をはるかに超える速度で飛行するため、追跡や迎撃が非常に困難だ。このほか、極超音速ミサイルが搭載しているのが、核弾頭なのか、通常弾頭なのかを判断することも不可能である。
アレクセイ・レオンコフ氏は、それでも北朝鮮は自国の防衛のために心血を注ぎ続けていると言う。
「まだトランプ政権のころ、北朝鮮は弾道ミサイルの発射をワシントンに見せつけました。この弾道ミサイルは高度4000キロメートルに達したので、アメリカのほぼどの地点にでも到達できるということです。 また、北朝鮮がこのようなミサイルをどれだけ保有しているかは正確にはわかっていません。ですから、北朝鮮の指導部が、将来の対米交渉での立場を強くしようと、核ミサイル計画の更なる強化を目指しているのは当然です。今のところ、バイデン大統領は交渉を一時停止していますが、再開される可能性もないわけではありません。しかし、朝鮮がどこかを先制攻撃するつもりがないことは明らかです。そんなことをすれば、自殺行為ですから。しかし、米国は、北朝鮮のミサイル発射を利用して、同盟国に極超音速技術の共同開発を呼びかけるでしょう。ロシアと中国はすでに極超音速ミサイルを保有しており、戦略的に重要な軍事分野でのこの遅れは、米国にとって非常に憂慮すべきことだからです。」
すなわち、米国は、北朝鮮の予測不能な行動と核ミサイル計画を口実にして西側諸国に脅しをかけることで、米国と同盟国の極超音速技術の共同開発を加速させ、間的猶予を稼ぐだろうとレオンコフ氏は考えている。
しかも、アジアでは中国の役割が強まりつつある。中国はこの地域のメインプレーヤー、覇権国家になりつつあり、ロシアとの軍事協力が進めば、それは紛れもない事実になるだろう。そうなれば、アジア太平洋地域で米国が優位性を維持するのは極めて困難になるだろうとアレクセイ・レオンコフは強調する。
これらの背景には、世界のリーダーシップをめぐって中国と米国の対立が深まっていることがある。このような背景から、中国外交部の王文彬報道官は、米韓をはじめとするすべての関係者に対し、北朝鮮のミサイル発射が頻発していることに性急な判断や過剰反応を控えるよう呼びかけた。