「高橋大輔は生まれつきのダンサー」 高橋/村元組のコーチが語る共同作業
2022年1月22日, 19:55 (更新: 2022年1月22日, 22:00)
© AP Photo / Sergei Stepanov高橋/村元組
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独占記事
1月21日、タリンで開催のフィギュアスケート四大陸選手権アイスダンスで、日本の高橋大輔/村元哉中組が銀メダルを勝ち取った。その1カ月前、五輪代表選抜を賭けた全日本選手権でこのペアは2位に甘んじている。スプートニクは、高橋/村元選手のコーチであるマリア・ズエワ氏に、日本人選手は他の国の選手と何が違うのか、なぜ全日本選手権での演技を自身は成功だと考えるのかについてお話を伺った。
コーチ不在の全日本選手権で銀メダル
日本への入国、ビザ発給の制限から、村元/高橋組のコーチを務める元ソ連フィギュア選手マリヤ・ズエワ氏は五輪代表の重要な選抜大会であった全日本選手権に来ることが叶わなかった。結果、高橋らは2位にとどまり、小松原美里・尊組に優勝をさらわれた。
「光栄!あの、タカハシと同じリンクに立てた!」会見後、ベテラン #高橋 に握手を求める世界の選手たち#四大陸選手権_Sputnik pic.twitter.com/ihdRppM8ij
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) January 22, 2022
それでも、ズエワ氏は、高橋らはベストを尽くしたと考えている。
「ふたりにはきつかった。ペアは歩き出したばかりで、わずか2シーズン目。コーチ不在のまま3週間の大会期間......もちろん、彼らは偉業をやってのけましたよ。見事なスケーティングでした。私たちはスカイプと通じて作業をしましたが、でもね、そばに実際頼れる人がいる、実地にコーチがいるのとは全く別物です。彼らはよくやったし、見事なスケーティングでした。ただ、(日本フィギュアスケート)連盟の判断は、私はあまり正しくなかったと思う」
高橋大輔の成功と日本人の国民性
ズエワ・コーチは村元 哉中との共同作業は長い。村元がクリス・リードとアイスダンスのペアを組んでいた時代から2018年の平昌五輪出場を目指して育ててきたが、今は高橋と組む村元を育成している。ズエワ氏は、日本選手には他の国の選手と比較し、確かに独自の特徴を持っていると考えている。
「日本人は責任感が強く、常に落ち着いています。冷静で素直、これはトレーニングにも反映されますよ。そしてもちろんこれは国民性ですね。とても音楽の感性がいい。そして私が今まで出会った中で一番音楽の感性がいいのがこの二人(村元と高橋)です。音楽を聴き、音楽を感じる。大輔は生まれつきのダンサーです。すでに年齢もいった段階でフィギュアの新しい種目を学び始めているにもかかわらず、それを信じられないような大股でどんどん前進している。その結果には私自身も驚いています」
今、村元は28歳、高橋は35歳。フィギュア選手にしては決して若い年齢とはいえない。だがズーエワ氏はふたりには選手として大会に出場できる大きなポテンシャルがあると見ている。
「(高橋)ダイスケはとにかく踊ることに目がない。ものすごくダンスが好きで、全身全霊をこれにかけている。あのね、ちょうどいい時期に居合わせた、ということもあるんですよ。バンクーバー五輪で優勝したペアの男子は37歳でした。ボクシング重量級でも47歳で世界チャンピオンがいるじゃないですか。ここには限界はなく、すべては身体的、精神的な可能性次第なんです。12歳で優勝することも、37歳で優勝することもできる。かと思えば、全く勝てないということもあるんです」
ズエワ氏は今までにバンクーバー、平昌五輪2冠のテッサ・ヴァーチェ/スコット・モイア組(カナダ)、ソチ五輪チャンピオンのメリル・デイヴィス/チャーリー・ホワイト組(米国)、トリノ五輪・銀のタニス・ベルビン/ベンジャミン・アゴスト組(米国)、若いアスリートのマディソン・チョック/グレッグ・ズーライン組(米国)、マヤ/アレックス・シブタニの兄妹組(米国)など多くのペアを育成してきたベテラン。
フィギュア四大陸選手権 2022
1月20日から23日、タリンで四大陸フィギュアスケート選手権2022が開催されている。本大会は当初中国で開催が予定されていたものの、コロナウイルスによる制限措置で急遽、タリンに開催場所が変更された。