https://sputniknews.jp/20220130/10062341.html
西側の反ロシア的な姿勢に賛同する日本露日関係が急速に冷え込む可能性はあるのか?
西側の反ロシア的な姿勢に賛同する日本露日関係が急速に冷え込む可能性はあるのか?
Sputnik 日本
日本の与党が、ロシアに対する制裁発動を呼びかけた。共同通信が伝えるところによれば、自民党外交部会・外交調査会の合同会議では、経済制裁に踏み切るよう政府に求める声が相次いだ。 2022年1月30日, Sputnik 日本
2022-01-30T20:14+0900
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日米関係
オピニオン
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「スプートニク」はウクライナ情勢の悪化を背景とする日本政府のこうした発案がどれほど深刻なものであるのかに注目した。2014年にクリミアがロシアに編入した後、日本が(米国の圧力を受けて)発動した制裁は実質的なものではなく、公式的なものであったことも考慮に入れ、考察する。安倍路線の見直し?日本問題の専門家であるドミトリー・ストレリツォフ氏は、ロシアに対する外交路線の変更は、新たな政権が発足したことにより、十分に予測可能なものであり、説明できうるものであると指摘している。「今後、露日関係は停滞することになるでしょう。というのも、クリル諸島をめぐる日本との係争に対するロシア側の立場がより厳しいものになったからです。また、現在の日本政府は安倍元首相の方針の見直しを図っています。ですから、安倍元首相の辞任後、ロシア側は長期にわたり、交渉を停止し、またロシア関係についての岸田首相の発言もかなり控えめなものでした。菅前首相はロシアとの領土問題に関して意義のある発言は行いませんでした。しかし、現首相はより実利的な考えを持っており、しかも、プーチン大統領との間で信頼関係を築いた安倍元首相のように、ロシアに対して「思想的な義務」を感じていません。また岸田首相はより親米的な政治家です。ですから、ロシアに対して西側が結束する現在の状況において、岸田首相は日本が日和見主義だと捉えられるのを避けたいという思いがあります。(当時の米国の方針にとらわれず)独自の対ロシア政策を行おうとしていた安倍政権時代にはまさにそのような状況だったからです。そこで、岸田首相は対ロシア外交では、西側諸国との完全な結束を示そうとしているのです」。しかし、これは、日本の現首相が特に反ロシア的な態度を取っているということを意味するわけではない。ストレリツォフ氏は、日本は単に西側との結束から外れることができないだけだとの確信を示している。とはいえ、今後、露日関係は複雑なものとなることは疑いようのないことである。共同通信の記事では、とりわけロシアからの液化天然ガスの輸入禁止についての協議が開始されたという事実がそのことを証明していると指摘されている。しかし、これに関してストレリツォフ氏は、望ましいことではないとしつつも、ロシアと日本の経済関係を大きく悪化させるものではないとの見方を示している。「ロシアと日本の関係においては、現在も、日中関係ほど強い経済基盤はありません。ロシアは日本にエネルギー資源を供給していますが、その割合はわずかなものです(10%以下)。日本にとってエネルギー供給源の多角化は非常に重要なことですが、ロシア産のガスの供給が停止しても、代わりの供給先を見つけることは難しいことではありません」。そこで日本は実際にそのような行動に出る可能性はある。その理由についてストレリツォフ氏は、日本は意識的にエネルギー資源の供給におけるロシアへの依存度を下げようとしているからだとし、日本から非常に近く、埋蔵量も豊富なサハリンからのガスパイプラインの建設に合意していないのもそのためだと指摘する。またストレリツォフ氏は、ウクライナ情勢が悪化し、日本が反ロシア的な立場に賛同したとしても、露日関係が急速に悪化することは考えにくいとも述べている。日本の外交関係者らが対ロ制裁についての具体的な話し合いを行なっておらず、なんらかの決定を下す際には米国と緊密に協力すると約束するに留まっているのも、このためであると説明することができるだろう。関連ニュース
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日米関係, オピニオン
西側の反ロシア的な姿勢に賛同する日本露日関係が急速に冷え込む可能性はあるのか?
日本の与党が、ロシアに対する制裁発動を呼びかけた。共同通信が伝えるところによれば、自民党外交部会・外交調査会の合同会議では、経済制裁に踏み切るよう政府に求める声が相次いだ。
「スプートニク」はウクライナ情勢の悪化を背景とする日本政府のこうした発案がどれほど深刻なものであるのかに注目した。2014年にクリミアがロシアに編入した後、日本が(米国の圧力を受けて)発動した制裁は実質的なものではなく、公式的なものであったことも考慮に入れ、考察する。
日本問題の専門家であるドミトリー・ストレリツォフ氏は、ロシアに対する外交路線の変更は、新たな政権が発足したことにより、十分に予測可能なものであり、説明できうるものであると指摘している。
「今後、露日関係は停滞することになるでしょう。というのも、クリル諸島をめぐる日本との係争に対するロシア側の立場がより厳しいものになったからです。また、現在の日本政府は安倍元首相の方針の見直しを図っています。ですから、安倍元首相の辞任後、ロシア側は長期にわたり、交渉を停止し、またロシア関係についての岸田首相の発言もかなり控えめなものでした。菅前首相はロシアとの領土問題に関して意義のある発言は行いませんでした。しかし、現首相はより実利的な考えを持っており、しかも、プーチン大統領との間で信頼関係を築いた安倍元首相のように、ロシアに対して「思想的な義務」を感じていません。また岸田首相はより親米的な政治家です。ですから、ロシアに対して西側が結束する現在の状況において、岸田首相は日本が日和見主義だと捉えられるのを避けたいという思いがあります。(当時の米国の方針にとらわれず)独自の対ロシア政策を行おうとしていた安倍政権時代にはまさにそのような状況だったからです。そこで、岸田首相は対ロシア外交では、西側諸国との完全な結束を示そうとしているのです」。
しかし、これは、日本の現首相が特に反ロシア的な態度を取っているということを意味するわけではない。ストレリツォフ氏は、日本は単に西側との結束から外れることができないだけだとの確信を示している。
とはいえ、今後、
露日関係は複雑なものとなることは疑いようのないことである。共同通信の記事では、とりわけロシアからの液化天然ガスの輸入禁止についての協議が開始されたという事実がそのことを証明していると指摘されている。
しかし、これに関してストレリツォフ氏は、望ましいことではないとしつつも、ロシアと日本の経済関係を大きく悪化させるものではないとの見方を示している。
「ロシアと日本の関係においては、現在も、日中関係ほど強い経済基盤はありません。ロシアは日本にエネルギー資源を供給していますが、その割合はわずかなものです(10%以下)。日本にとってエネルギー供給源の多角化は非常に重要なことですが、ロシア産のガスの供給が停止しても、代わりの供給先を見つけることは難しいことではありません」。
そこで日本は実際にそのような行動に出る可能性はある。その理由についてストレリツォフ氏は、日本は意識的にエネルギー資源の供給におけるロシアへの依存度を下げようとしているからだとし、日本から非常に近く、埋蔵量も豊富なサハリンからのガスパイプラインの建設に合意していないのもそのためだと指摘する。
またストレリツォフ氏は、ウクライナ情勢が悪化し、日本が反ロシア的な立場に賛同したとしても、露日関係が急速に悪化することは考えにくいとも述べている。
日本の外交関係者らが対ロ制裁についての具体的な話し合いを行なっておらず、なんらかの決定を下す際には米国と緊密に協力すると約束するに留まっているのも、このためであると説明することができるだろう。